子ども同士のトラブルやけんかの対処法とは?保護者の謝罪も?
園生活にも慣れ、友だちとの関わりも活発になってくると、
子どものけんかやトラブルにどう関わり、
けんかやトラブルは、子どもの成長に欠かせない貴重な体験
子どもにとって、けんかや人間関係のトラブルは、
けんかやトラブルが続くと、「またか・・・。」
けんかに関わる保育者の役割はジャッジではありません
けんかやトラブルは、決して楽しいものではありません。
さらに、けんかやトラブルの体験は「
けんかやトラブルが起きると、
けんかやトラブルを通じて身につけたい最終目標は、「
けんかやトラブルへの対応
子どもが自分の気持ちを整理できるように・・・丁寧に話をきく
どういう経緯があったのか、どうしたかったのか、どうしていやだったのか、ということを双方に丁寧に聞きましょう。話のなかで共感できる点を反復しながら、子どもの気持ちを保育者が整理し、まとめていきます。
子どもは共感してもらえることで、気持ちが落ち着くものです。「ぶったのは悪いけれど、いきなり積み木を崩されて嫌だったんだね。そうか、悔しかったんだね」と、子どもの気持ちを言葉にしながら、共感を示しましょう。「○○くんの気持ちはわかったよ。でも、△△ちゃんはこういう気持ちだったんだって」と、相手の気持ちをわかりやすい言葉で伝えていきます。また、「もし、自分がこういうことをされたら、どんな気持ちになるかな?」といった言葉をかけながら、相手の立場だったら、という視点を双方の子どもが持てるように導きましょう。
保育者は常に中立の立場でいることが大切です。一方が泣いていたり、トラブルの多い子が絡んでいたりすると先入観をもって介入してしまいがちです。どちらが悪いかをジャッジすることが保育者の役割ではないことを忘れないようにしましょう。
解決の糸口を見つけられるよう・・・ヒントを与えながら考えさせる
4歳後半以上の子であれば、まず双方の話を聞きながら「こうだったから、こうしたかったんだね」と気持ちの整理や確認をしましょう。そのうえで、「どうすればよかったのか」「次はどうしたらうまくいくか」と考えるところまでふみこんでみます。解決の糸口が見つかりそうにないときは、「こうしたら、ふたりとも楽しくあそべたんじゃないかな」とヒントを出していきましょう。
年長児の場合は、、子どもどうしで解決できるよう、保育者の介入のしすぎに気をつけましょう。とはいえ、子どもたちの解決法がいつも正しいとは限りません。まちがいがあれば、すぐに軌道修正できるよう、一歩引いた場所から見守ることも大切です。
けんかの仲裁に入って双方の話を聞いても、話が平行線・・・という悩み
「先にぶったのは○○くんだ」「違う、△△くんだ」などとお互いの言い分が違い、話が平行線になってしまうことが多いです。こういうときにどうしたらよいのか、悩むこともありますね。
まずは、周りにいた子どもにけんかの発端や経緯を聞いて、できる限りの情報収集をしましょう。それでも真相がつかめず、話は平行線のまま・・・という場合は、「どちらが先にぶったのか」を追求するのはひとまず横に置いて、「そちらも相手をぶったのはよくないよね。だから、ぶったことはお互い謝ろう」などと視点を変えて、話を進めるのもひとつの方法です。そのうえで、「たたき合いっこにならないようにするには、どうしたらよかったと思う?」と、子どもに考えるきっかけを与える言葉をかけてみましょう。
また、意地になったり、ひくにひけなくなってその場では謝れなかったり、本当のことを言えなくなっていることもあります。そういう気持ちも受け止め、「今はわからないかもしれないね。思い出したら先生に伝えに来てね」と、子どもに考える時間を与えることも大切です。「本当のことを話す勇気のスイッチは自分でしか押せない」ということを、在園中の数年間で時間をかけて教えていきたいですね。
ブロックなどの取り合いで、どうしても相手の持っているブロックをほしがるA君・・・という悩み
同じ形のブロックを渡しても「いらない」といい、どうしても相手が持っているブロックをほしがったり、自分の思い通りの行動を相手の子が取ってくれないと、しつこく追いかけまわして応じるまでおしつけたりするような子にはどのように対応したらよいのでしょう。
一見、ブロックに執着しているように見えますが、実は友だちとの関わりを求めているのかもしれません。友だちにしつこくしてしまうのも同じで、本当はあそびたいのに、その気持ちをうまく伝えることができずに、自分なりのアピールになってしまっているのかもしれません。根気がいることですが、Aくんにはその都度、「こういうことをすると、お友だちはいやな気持ちになるよ」「Aくんは○○がしたいのかな?だったら『いっしょに○○しよう』と言おうね」と伝えていくことが必要です。また、同じ年齢の子どもどうしだと、譲り合えなかったり、意地になってしまったりしやすいので、異年齢児との交流経験を増やしてみるのもよいでしょう。年上の子とあそぶと、おもちゃを貸してくれたり、優しくしてもらえるので、「こうしてもらえると、うれしいんだ」とAくん自身が気づくきっかけになります。クラスにこだわらず、大きな枠組みのなかで育ち合える場を積極的につくっていきましょう。