集団活動が苦手な子供の心理とは?克服させる保育とは。

hoikunabi

集団行動が嫌いな子どもは病気でも障害でもありません

たくさんの子どもがいっしょに生活するなかで、引っ込み思案だったり、自己主張が強すぎたりするなどの理由で、集団にうまくなじめない子もいます。

そんなタイプの子に対する保育者の適切な関わり方について考えましょう。

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集団に入りにくいタイプの子

手段の中にはいつもひとりであそんでいる子や、保育者にくっついてばかりの子など、友だちの輪からはみ出していることが多い子もいます。

そういう子たちをよく見ると、ほんとうは友だちとあそびたいけれど、輪のなかに入れずにいる子、友だちとあそぶよりも今はひとりあそびや保育者とあそぶことが楽しいと感じている子など、タイプはいろいろです。

保育者が仲立ちとなって、少しずつ友だちの輪を広げていけるようにかかわることは大切ですが、まずは、その子の状態をよくみて、その子に合った対応を取ることが必要です。

ひとくくりに「友だちとあそべるようにしてあげなくては」というのではなく、子どもの「いまの思い」を尊重しながら、その子に合った無理のない援助を心がけましょう。

友だちとあそぶことのの楽しさも知ってほしいという悩み

年中の年頃は、仲間といっしょにあそぶことに関心や興味が高まる一方で、個々であそびを深めていく時期でもあります。

ひとりで、ひとつのことにじっくり向き合って取り組むのも大切なことなので、Aくんが好きなあそびに夢中になっているのなら、無理に中断させて友だちとのあそびをすすめることはありません。

本人の興味と友だちからの刺激が一致したときは、自然に友だちとかかわり、いっしょにあそぶ楽しさも感じられるようになるでしょう。

しかし、Aくんが「ひとりが楽だから」などの理由でひとりあそびばかりをしているのなら、対応は違ってきます。

友だちとあそぶと、足が速い、遅いなど、子どもなりに優劣を感じる場面も出てきます。自分が一番になりたい気持ちも強いときです。

負けて悔しい思いはしたくない、という自信のなさから、ひとりあそびに向かっているようなら、保育者があそびに加わり、難易度を下げて楽しい雰囲気をつくったり、Aくんの好きなあそびにみんなを誘ってみたりしましょう。

Aくんが得意なことを認め、自信が回復するようにかかわっていくことが大切です。

輪に入っていこうとしない

単純に、いっしょにあそびたいけれど、仲間に入るきっかけがつかなめないようなら、保育者がうまくきっかけづくりをしてあげましょう。

保育者がBちゃんと楽しくあそぶ姿をほかの子に見せるのもよいですね。

周囲の子が「何をしているの?」と寄ってきたら、「これ、Bちゃんが描いたの。じょうずでしょ?」などとBちゃんの特技や魅力をアピールしながら、Bちゃんと友だちをつないでいきましょう。

いまのBちゃんにとって、保育者は安心の場になっているので、「ほら、あそんでおいで」と無理に引き離すのはよくありません。

Bちゃんが、保育者に受容されている、という安心感を十分にもてるようにかかわり、そのうえで1ヶ月後にはBちゃんが友だちのなかへ入っていくイメージをもって、保育者もあそびに加わり、気がついたらBちゃんもいっしょにあそんでいた、という流れをつくっていきましょう。

保育者がBちゃんと友だちのパイプ役になれるといいですね。

お友達に嫌がらせをして気を引きたい

ブロックを壊すなど、友だちにしてみればじゃまをされていると感じる行為も、Cくんにとっては自分をアピールして友だちに関心を向けてほしいという気持ちの表れなのかもしれません。

友だちの気持ちやあそびのイメージをつかめないCくんには、「○○くんたちは、ブロックでお城をつくっていたんだよ。壊したら、○○くんたち、どんな気持ちかな?とっても悲しそうな顔をしているよ」と、他の子のあそびのイメージを具体的に伝えつつ、友だちの気持ちを考えさせましょう。

仲間に入りたいときは、どう言えばよいかを、心に響くようにしっかりと諭し、壊されてしまった友だちは嫌な気持ちになることも伝えましょう。

周りの子には「ごめんね、Cくん、本当はみんなといっしょにあそびたかったんだって」とCくんの気持ちを代弁することも大切です。

あるいは、情緒的に少し不安定になっているのかもしれません。家庭でのようすを保護者に聞いて、原因を探ってみるのもよいでしょう。

集団の輪を乱しがちなタイプ

子どものもって生まれた気質によって、その強さや表れ方に差はありますが、子どもの自己中心性や自己主張の表れは、いずれも発達過程でなくてはならないものです。

しかし、それが強すぎると、集団生活のなかではトラブルを招く原因になることがあります。

おとなには、相手の立場に立って考える力や協調性がありますが、もちろんそれは、生まれたときから備わっているものではありません。

幼いときから人とのかかわりを通じて、周囲の人にも自分と同じように気持ちがあることや、自己抑制と自己主張のバランスを学びながら、身につけていったものです。

園で経験する友だちとのかかわり一つひとつが、集団生活を営むために必要な協調性や社会性の芽を育てていきます。

「自己主張が強くて困った子」ととらえるのではなく、「どの子もまだまだ成長過程」という目で、温かく援助の手を差し伸べていきましょう。

リーダータイプで仕切り屋

年中のころは、自己中心性がいちばん強くなる時期です。

同時に、自分の思いをことばでしっかり表現できるようにもなるため、その分、友だちとの衝突も多くなります。Dくんに限らず、その都度、相手にも自分と同じ気持ちがあることや、相手の話を聞くことの大切さを伝え、お互いの意見の折衷案をみつけて自分の思いに折り合いをつけることなどを経験させることが大切です。

リーダータイプのDくんには、「みんなのやりたいことがバラバラで困ったね。みんなで楽しくあそぶためには、どうしたらよいと思う?」などと、Dくんを頼りにしている、という口調でことばをかけると効果的です。「それじゃあ・・・」と新たなアイデアを出してくれるかもしれません。Dくんのリーダー的な良い面を伸ばしながら、思いを通すだけでなく、相手の話も聞けるように指導していきましょう。

リーダー的な素質をうまく伸ばしながら、がまんも身につけさせることができるといいですね。

気に入らないことがあると、いじける

仲間との間で、さまざまな情緒が育っていることを喜びましょう。負の部分と同じように、正の部分も育っているはずです。

あそびの輪から外れて、ぽつんと一人でいじけていたり、ふてくされているのは、自分のなかで感情をうまくコントロールできず。そうせざるを得ない行動なのかもしれません。

その気持ちを理解してあげましょう。あわててEくんに駆け寄ったり、心配な表情で手厚く対応しすぎたりすると、「気に入らないことがあると、すぐふてくされる」という悪循環が身についてしまいます。さらりと「あれ?どうしたの?」と声をかけ、「お話できるようになったら、先生にお話ししにきてね」という程度の対応にとどめ、少し離れたところからようすを見るようにしましょう。

ずっとその調子のままなら、別のあそびに誘うなど気分を変えられるように援助します。

自分からあそびの輪に戻ってきたり、保育者に声をかけてきたら、「すごいね。前はできなかったけれど、今日は自分から戻ってこられたね」と、自分で気持ちを切り替えられたことをたくさんほめてあげましょう。

場の雰囲気を悪くする発言が多い

Fちゃんの発言の裏には、自分も認められたい、という思いがあるのかもしれません。

「さっきはどうしてあんなことを言っちゃったのかな?」と穏やかに話しかけ、Fちゃんの気持ちをゆっくりと聞いてあげられるとよいですね。

「へた」と言って、友だちを傷つけてしまったことは、「言われた人は嫌な気持ちになるから、やめようね」と、しっかり伝えておきましょう。

また、Fちゃんの描いた絵を「じょうずに描けたね。ここの色がとてもきれい」などとほめたり、お手伝いをしてくれたときには、「ありがとう。先生、すごくたすかったよ」とお礼を言うなど、日頃からみんなの前でFちゃんの得意なことや小さな頑張りに気づいて認めてあげましょう。

先生に具体的に認められるなかで、「わたしは、みんなのなかで、こんなことができるんだ」と自分のよさに気づき、自信につながれば、Fちゃんの気になる発言も減るのではないでしょうか。

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4歳児 教育心理学
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび