子どもが好きだし、将来は保育士になりたいけれど、収入のこととか、仕事の内容を考えると少し不安がある。男性が保育士として働いていっても大丈夫なのかな?
という疑問にお答えします。
①保育の現場で男性の力が求められることは多くある②女性じゃないと務まらない理由は保育士にはない
③収入は公務員を目指せば問題なく、社会人採用もあり
④児童相談所や児童福祉施設で働くこともあり
上記のポイントごとに解説しています。
2020年のいま、保育士は国家資格です。
しかし、保育士は1999年までは保母という任用資格で、国家資格ではありませんでした。
男性は保父と呼ばれることもありましたが、これはあくまでも便宜上のことで、資格としては保母でした。
保父は「保母資格をもった男性」だったわけです。
保父として働いていた男性は1980年代からいましたが、保育の仕事は女性の仕事であるという偏った認識が社会に広まっていたことも指摘されていることです。
そのような状況であったのが、1999年4月に男女雇用機会均等法が改正されたことに伴い、児童福祉法施行令が改正され、保母の名称が保育士となり、その後、2003年11月の児童福祉法改正により保育士は国家資格となりました。
それから約20年が経過しましたが、男性保育士の将来性はあるのか解説していきます。
男性保育士の将来性とは
繰り返しですが、男性保育士の将来性について
①保育の現場で男性の力が求められることは多くある
②女性じゃないと務まらない理由は保育士にはない
③収入は公務員を目指せば問題なく、社会人採用もあり
④児童相談所や児童福祉施設で働くこともあり
4つにまとめて、順番に解説していきます。
①保育の現場で男性の力が求められることは多くある
男性の力といっても、例えば重い荷物が持てるだとか、日曜大工が得意だとかそういう意味ではありません。
もちろん、そういった力も保育の中では重宝されるものですが、ここでいう男性の力とは、男性ならではの視点で保育ができるということです。
例えば、遊びの中で、父親に近い立ち位置で子どもに接することができますし、子どもが社会性を育むうえで男女の保育士が園にいることはきちんとした意味があります。
子どものために男性保育士は求められているのです。
②女性じゃないと務まらない理由は保育士にはない
保育士になるための学習のカリキュラムの中で、男性じゃないとできないことや女性じゃないとできないことというものはありません。
保育士になるためには保育士養成施設に通ったり、国家試験に合格する必要がありますが、性別によって区別されることはなく、男女ともに保育士になることができます。
③収入は公務員を目指せば問題なく、社会人採用もあり
保育士の賃金の問題は、社会の問題になっています。
2015年の賃金構造基本統計調査によると、保育士の全国の平均年収は約323万円(平均年齢35歳)となっていて、全産業の平均は約489万円(平均年齢42歳)なので、それと比べると約166万円も低いことになります。
しかし、この保育士の平均年収は公立と民間の園を合わせた平均ですし、よく見ると平均年齢も異なるため、注意が必要です。
公立に限れば、年収はもっと上がり、例えば東京都23区の、ある区だと保育士の平均年収は約539万円(平均年齢44歳)になっています。
これを見ると、保育士は公務員を目指すことで、収入の低さは問題にならなくなります。
公務員試験は年齢制限にかかるまでは何回もチャレンジできますし、民間の園で経験を積んだ社会人を採用することも増えてきているので、じっくりと対策をして目指すことができます。
④児童相談所や児童福祉施設で働くこともあり
④で解説した公務員を目指すことにも関係があることですが、児童相談所や児童福祉施設に勤務している保育士は、泊りでの仕事がある等、体力が求められることから、男性の保育士が求められることがあります。
しかし、現実に保育士には女性が多い
男性保育士の将来性について解説をしてきましたが、現実には保育園や認定こども園で働いている保育士の約95%は女性です。
しかし、保育園で勤務していない保育士を含んでいないので、きちんと調査すれば保育士の男性の割合はもう少し上がると思われます。
その他に、保育士はキャリアアップがしにくいことも問題視されており、現場では役職なしから始まり→主任→副園長→園長という階層が定着していました。
この階層を維持しつつも、国から処遇改善に向けて保育士等キャリアアップ研修が実施されてきており、保育士がキャリアアップを考えやすくなってきています。