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もう疲れない!発達障害の子供を理解するヒント

発達障害のある子どもが抱えるコミュニケーションの問題について、障害のある子どもの社会性の発達のようすと、園での実際の対応事例についてご紹介します。

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障害の特性ゆえに生じる人とのかかわりの困難さ

発達障害のある子どものなかには、人とのかかわりに困難さを抱えている子どもが少なくありません。

例えば、自閉症やアスペルガー症候群のある子では、人への興味、関心が薄い、表情から人の気持ちを読み取るのが苦手、言葉の遅れや偏りがあるといった障害のために、人と気持ちを通わせたり、感情を共有したりすることが苦手です。

また、注意欠陥多動性障害の子の場合、不注意・多動性・衝動性といった特性のために、感情や行動のコントロールが利かないため、友だちとトラブルが起きてしまったり、自分勝手、乱暴、落ち着きがない、などと思われやすかったりする傾向があります。

人とかかわる力が「ない」のではありません。その子なりの「育ち」があります

その特性として、一部の発達障害のある子に人への関心の希薄さがあるのは確かです。

しかし、人への関心はまったくのゼロというわけではありません。

同様に、感情をコントロールすることが苦手というのも、まったくコントロールできないわけではありません。

発達障害のある子は、もともと持って生まれた人への関心の度合いが低い、感情をコントロールする力が弱いというだけで、決してその力が欠落しているということではないのです。

幼少期から周囲のおとなが、そのわずかな「人への関心」を高められるように適切にかかわり、「感情をコントロールする力」を身につけられるように、そのつど繰り返し教えていくことで、ゆっくり、そして少しずつではありますが、コミュニケーションの問題は改善されていきます。

「うまく関われた」という成功体験が持てる援助を

人とかかわる力、いわゆる社会性は、年齢が上がっていくと力が伸びていくものですが、発達障害のある子の場合、社会性の発達の核となる「人への関心」や「感情をコントロールする力」が生まれつき乏しいので、当然ながら、その発達も同年齢の子に比べると遅くなります。

例えば、発達障害のある5歳児が、友だちの持っているおもちゃを「ほしい」といい、すぐに取ってしまったとします。

そういうとき、「5歳なのに、なんて乱暴な子」ととらえるのではなく、その子はいま、コミュニケーションの面については3歳児くらいの発達段階にあると理解して接してみましょう。

3歳児に対してそうするように、保育者が子どもどうしのかかわりを仲介しながら関係作りをしていってはどうでしょうか?

このように、子どもの発達段階を理解した援助をし、発達障害のある子どもが「友だちとうまくかかわれた」という成功体験を持てるようにすることが大切です。

 

障害のある子どもの社会性の発達

発達障害のある子どもが抱えるコミュニケーションの問題について、障害のある子どもの社会性の発達のようすと、園での実際の対応事例についてご紹介します。

発達障害のある子にみられる、社会性の発達

新生児~はいはい期

一般的な発達のようす

抱っこをすると泣き止む、きげんがよくなる
人の顔をじっと見つめる
話しかけたり、あやしたりすると反応して喜ぶ
なん語が出る
人見知りをする
「だめ」という言葉に反応する

発達障害のある子に見られるようす

ぐずったときに、抱っこをしても泣き止まない
抱っこをしても体を反り返らすなど抱きにくい
泣いたり、ぐずったりすることがほとんどなく、ほうっておいても一人で遊んでいる
ことが多い

はいはい期~1歳代

一般的な発達のようす

呼ぶと振り向く
母親の姿が見えないとなく、後追いが盛んになる
同じ年齢の赤ちゃんに関心を示す
おとなのまねをする
指をさして、ほしいものなどを示す
「わんわんどれ?」と聞かれると指さしする

発達障害のある子にみられるようす

声をかけても振り向かない
母親がそばにいなくても平気
母親が離れて自分勝手に動き回る
言葉がでない
やり取りの言葉より先に、車の種類やメーカー名などのような言葉を覚える

2歳代

一般的な発達のようす

言葉での感情表現が豊かになる
ほかの子どもを意識しはじめる
短い時間なら子どもどうしで遊べるようになる

発達障害のある子にみられるようす

非常にマイペースである
自他の物の区別がつきにくい
言葉の遅れが目立つ
友だちを叩くなど、トラブルが多い

3歳代

一般的な発達のようす

仲間意識が出てくる
言葉が飛躍的に多くなる
ごっこ遊びで、友だちと言葉のやり取りができる

発達障害のある子にみられるようす

自分の気持ちを伝える言葉が少ない
友だちと遊べず、ひとりあそびが多い
大人の制止をきかず、自分勝手に動き回る

4~5歳代

一般的な発達のようす

気の合う友だちと遊ぶようになる
ルールに従って遊べるようになる
共感の心が育つ
けんかでは、手がでることが減り、言葉での言い争いが増える

発達障害のある子に見られるようす

相手の気持ちが分からず、トラブルになりやすい
遊びのルールを理解できない
感情の抑制ができず、衝動的な行動や乱暴な行為が目立つ

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発達障害
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび