粘土を楽しむ工夫とは
子どもたちが粘土の扱いになれてきたら、自発的なあそびの発展をサポートするような絵の具や補助材を準備しましょう。
粘土のかたまりを積み上げたり接合したりすれば、立体造形もできます。
作品作りにもいかせるこれらの素材や技法を、ぜひ粘土あそびに取り入れてみましょう。
補助材をつかおう
粘土あそびの 世界を広げ、豊かにするのが補助剤です。
子どものふだんのようすや、興味がありそうなもののなかから、テーマを選び、「キラキラのアクセサリーを作ってみよう」「豪華なケーキを作ろう」などと提案してみます。
それを作るのに使えそうな補助剤をいっしょに選んでみましょう。保育者が「粘土にビーズを埋め込んでみる?」などと声をかけてみてもいいですね。
例えば、木の実や葉っぱ、貝殻、ボタン、モール、リボンなどのアクセサリーをつかって、花瓶や粘土の絵などを作成したり、ペットボトルやラップの芯などに粘土を巻きつけるようにして立体造形を制作しても楽しいでしょう。
粘土に色をつけよう
色粘土を使って視覚を刺激することで、子どもたちにいつもとは違った活動を促すことができます。
色が混ざっていく過程を楽しんだり、色があることでイメージが広がったりします。アクセサリーや食べ物、動物や人の顔などをつくったり、それらを使ってさまざまなごっこあそびに発展させたりしてもよいでしょう。
粘土に色をつける場合は、紙粘土や小麦粉粘土などの白いものが適しています。
紙粘土の場合
粘土の中央にへこみをつくり、粉絵の具を入れて混ぜると、きれいなマーブル模様ができます。
また、水彩絵の具を使う方法もあり、チューブから直接入れますが、量の調整が難しいので、保育者がやってあげましょう。
小麦粉粘土の場合
小麦粉に粉末状の食紅を混ぜ合わせ、水を少しずつ混ぜて硬さを調整しながら、こねていきます。
最後に少量の油を入れると手触りがよくなります。
立体物をつくろう
平面だけでなく、立体物をつくれるのも、粘土ならではの楽しみです。
けれども、立体的な表現の経験がないと、なかなか思い通りにはできないものです。
つまむ、ひねりだす、接合するなど、の立体造形に役立つ技法に親しむことから始めてみましょう。
このとき保育者は、子どもがイメージできることばをかけることが大切です。
また、ことばをかけながら、実際にやって見せるとよいでしょう。
子どもは保育者や周りの子どもたちのまねをしながらさまざまな技法を取り入れていきます。
そして、粘土を自由に扱えるようになると、アイデアがさらに広がり、個性豊かな作品が生まれるようになるでしょう。
立体造形に役立つ技法とイメージしやすいことばかけ
接合するときに・・・
「なでてくっつけよう」
粘土のかたまりとかたまりをくっつけたら、接着面を指先でしっかりなじませる
つまむときに・・・
「ヒラヒラをつくってみよう」
粘土のかたまりを親指とひとさし指でつまみ出すようにすると、薄いひれのような状態になります。動物の耳や鼻、恐竜の背中、花びらなどに。
ひねりだすときに・・・
「ギュッと握ってみよう」
粘土のかたまりの一部を手のひらに握り、棒状に突き出させる。動物の足やゾウの鼻などに。
とがらせるときに・・・
「トゲトゲさせよう」
親指とひとさし指で少量の粘土をつかんでつまみ出し、突起をつくる。トゲトゲやチクチクなど、質感表現が楽しめます。
押すときに・・・
「グーと押すよ」
粘土のかたまりを手で押したり、削ったりするだけでも立体造形になります。型押しをして模様を造るのも楽しいですね。
その他・・・
糸で切る、棒で伸ばして板状にする、棒でたたく、へらで線をつける、丸める、ひも状にのばすなどの技法もあります。立体造形に活用できます。
粘土遊びを作品展につなげてもいいですね。