1歳児の保育室を考える
個々の興味に合った探索活動が楽しめる環境を
1歳児は全身運動や手指の発達により、探索活動が活発になります。好奇心と意欲を育てながら、徐々に生活の自立ができるような環境づくりが求められます。あそびと生活の空間に大きく分け、一人ひとりの子どもの興味や関心が十分に満たせるよう工夫しましょう。
また、静と動のスペースを分ける工夫をするとよりよい保育室になります。静のスペースにはラグやマット、パーテーションなどを設置し、保育室のゾーン分けに活用しましょう。子どもにとってもわかりやすい境界になり、走って入るなどの危険な行動を防ぐこともできます。
●食べる
食事の自立に向けて、個々に合わせた保育者の援助が必要な時期です。食事のコーナーを確保し、個別対応ができるようにします。また、テーブルに個人のマークやその子の顔写真を貼っておくと、自分の場所がわかりやすくなります。
●あそび
ほかの子どもからじゃまされずに、一人あそびに没頭し、十分に探索活動ができるようにします。ついたてなどを上手に使ってあそびごとにコーナーを分けましょう。
十分に歩き回れるスペースや滑り台などの遊具で運動を楽しめるようにしたり、自分で選べるように表紙が見える向きでラックに並べた絵本コーナーをつくってみてもよいでしょう。また、子どもの手が届く棚に写真を貼って、おもちゃを収納すると子どもが片付けやすくなります。
かみつきなどのトラブルも増える時期なので、保育者から死角にならないよう、保育室のレイアウトを考えたいですね。
●着脱・排泄
プライバシーが守られるよう、ついたてでコーナーを囲います。あそびの空間とは、はっきり分けながら、壁に絵を貼るなど、子どもが抵抗なく楽しく入れる雰囲気にします。着脱・排泄・手洗いがスムーズな流れでできるように配置し、座って着脱できるベンチを置くなど、工夫しましょう。