園での防災訓練のねらいや計画のヒント

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園での防災訓練のねらいや計画のヒント

園では毎月、防災訓練を行っているかと思います。

ただ、実際に起きるリスクを想定できているかを確認するには、訓練のレベルが合っているかどうか、科学的見地に基づいたデータを調べて、津波、土砂災害、火災などのリスクがどの程度あるのかを知っておくことが大切です。

各自治体が、ハザードマップを作成していますので、まずは園全体でリスクを把握しましょう。

また、2011年3月に起こった東日本大震災の際に、園でどのようなことが起こったかをまとめた報告書が作成されていますので、その被害の実態を知り、想定できていない部分とのギャップを埋められるよう、訓練と準備をしていきましょう。

園舎の耐震は充分でも、非構造部材(天井や壁、、窓ガラス、証明など)が落下するという被害が発生します。床には物が散乱し、避難場所への経路が通れない、ということも。0・1・2歳の小さな子どもに恐怖を植え付ける必要はありませんが、それぞれの育ちに応じて、子どもたちが実際の状況をイメージしやすいように危険を見えるようにして、災害時の行動を体得させることが大切です。

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段ボールに描いた家具を倒してみる。

訓練のときに、段ボールを家具に見たてて倒してみたり、テレビの絵を描いて棚から落としてみたり、「こういうふうに落ちてきたら危ないね」と危険をイメージできるようにします。大人は、家具、テレビやパソコンのモニターの固定を徹底し、CDプレイヤーを置く位置などにも注意をしましょう。

ガラスが散乱していたら?卵の殻を使った災害体験

地震が起きたら、床にガラスなどの危険な物が散乱することを説明し、卵の殻の上を裸足で歩く体験を通して、「ケガをしないためにはどうしたらよいと思う?」と、子どもと一緒に考えてみましょう。靴をすばやく履いて移動する、前だけでなく足もとにも注意する、という点を伝えられるとよいですね。

おもちゃが飛び出さない工夫を

大きな揺れでは、積み木などのおもちゃも棚から飛び出してきます。おもちゃをしまう棚にロールカーテンをつける、すべり止めマットを敷くなどの対策をしましょう。

子どもを移動させるときは、大人が先に安全を確認

園庭やホールで並んで移動させるときは、必ず別の大人が避難経路の安全を事前に確認します。天井が落ちていたり、階段が崩れていたりして、先に進めないということも。ふだんの訓練から実践することが大切です。

園外での災害時に備えて

日ごろ、園内で起きた場合だけを想定した訓練を行っていませんか?

園外での災害時に備えるためには、事前にマニュアルを作成しておくことも効果的です。

ここでは、いつも散歩で歩いている道やよく行く公園の場合を想定してお話ししますね。

散歩中、公園へのルートにおける一時避難場所を決めておく。

ここで地震が起きたら、と常に想像をする習慣をつけましょう。倒れてくるブロック塀がないか、住宅地で火災が起きたら、土砂崩れの危険は?さらに津波の危険の有無など、自治体が作成しているハザードマップをみて、園だけでなく、散歩のコース、よくいく公園などをも合わせてチェックしましょう。

保育者は防災グッズを携行する

保育者は、常に園児の月齢に合わせて防災グッズを入れたリュックを携帯しましょう。リュックの中身は次のような物がおすすめです。

簡易防災マニュアル、園児や緊急連絡先のリスト、応急手当品、笛、筆記用具、少量のおやつ、トランシーバー、さらし

震度ごとに園に戻るか、避難場所に行くかを決めておく。

揺れが収まっても、むやみに園児を移動させるのは避けるべきです。ルートのここから先、もしくは震度6強以上なら公園へ避難する、ここまでは園に戻るなど、ハザードマップも参考にしながら園全体できめておき、保育者全員で共有しておきましょう。引率者はそれをもとに行動をします。

園では、すぐに連絡が取れないことを想定し、年齢ごとの移動ペースによって「出発して□分だから今はあのあたりにいるはず」と園や公園を出てからの居場所をイメージできるようにしておくことが大切です。それに応じて、園に戻るための応援に職員を向かわせるのか、応援物資を避難先に届けるのかを判断します。

保護者への事前の連絡も行いましょう。

送迎バスに乗っているときに災害が起こったら

園によっては、送迎バスで1時間以上移動ということもありますね。盲点となるのは、運転士が防災訓練に参加していない園があるということ。

園外保育と同様に、事前のマニュアル作成と保護者への周知がとても重要となります。

保護者へ災害時の対応を周知しておく。

災害の規模にもよりますが、園児の自宅が近隣の場合でも保護者に引き渡しに向かうのは避けます。保護者が自宅やバスの停留所で待機し、二次被害にあうのを避けるためにも、マニュアルを決めたら保護者に周知するのもきわめて大切なことです。

保護者は震度によって、「バスは園に戻っているはず」「避難所へ向かっているはず」と判断ができます。

震度ごとに災害時対応マニュアルを作成し、運転士も参加して検証する。

震度によって園に戻るのか、一時避難するのか、避難する場合は場所を決めてマニュアル化し、送迎時に引率する保育者が携行します。ここで重要なのは、マニュアルが実際に現場で対応可能かどうか。道が倒壊物などでふさがっていた場合の避難ルートや、ハザードマップに従って、そこが園児をバスに待機させたままのほうが安全か(広い場所に退避が可能で、火災や土砂災害、津波の心配がない)、園児をバスから降ろし、避難所に向かったほうがよいかどうかも検証しておきましょう。

マニュアルの検証時や防災訓練には運転士も必ず参加し、保育者との連携や役割分担などを確認します。

GPSによるバスの走行場所表示も。

GPS機能を利用して、バスが今どこを走っているか、園や保護者がわかるようなシステムを導入している園もあります。これは日ごろから、活用していると災害時にも有効です。仮に事務所のパソコンや携帯電話が使えなくなったときにも、「今□だから○○あたりにいるはず」と判断がしやすくなります。

バスにも防災グッズを常備しましょう。

バスにも防災グッズを常備しておきましょう。必ず用意しておきたいものは、次のとおりです。

園児・保育者人数分のヘルメット、応急手当品、笛、水、ラジオ、おやつ、トランシーバー、ブルーシート

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室内での活動 防災訓練
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび