乳児院の入所は児童相談所の措置によるものです
乳児院は児童福祉施設の1つで、何らかの理由で保護者と一緒に生活をすることが難しくなった乳幼児のための施設です。
入所先の施設は児童相談所の措置で決まります。
乳児院に入所する理由として、親からの虐待が最も多く、親の精神疾患、親の未婚が続きます。
乳児院という名称ですが、入所しているのは乳児のほか、安定した生活環境の確保やその他の理由により特に必要のある場合は幼児です。
主に0歳児~2歳児までの子どもが入所して、そこで生活をしています。
乳児院の役割とは
乳児院の役割は、大きく4つあり、1つめは子どもの命を守り、育てることです。
乳児院の養育機能
乳児院は2歳ごろまでの子どもの養育が中心で、この時期の子どもはまだ心身ともに十分な発達していないこと、また、発達の状況が一人ひとりにより異なるため状況に合わせた養育が求められます。
基本的な養育に加え、虐待を受けた子どもや障害のある子どもなどに対応できる専門的な養育の機能も備えています。
乳児院の保護者支援
2つ目の役割は、保護者支援です。
入所している乳幼児が退所して、家庭に戻っていく際の課程の再構築に向けて家庭で子育てができるようにする支援と、子どもと保護者の安定した関係を築く支援を行っています。
具体的には、保護者からの相談に応じ、抱えている子育ての困難さなどを受け止め、解決方法を一緒に考えたり、他の機関と協力して具体的な方法や資源を提供したりするなど、子どもの早期家庭復帰に向けて取り組んでいます。
乳児院の地域の子育て支援
3つめは地域の子育て支援の役割があります。
地域の子育て支援を対象として、子育て相談や地域交流などを行っています。
保護者がさまざまな社会的な理由(病気、出産、看護、災害、冠婚葬祭、失踪、転勤、出張及び学校など公的行事への参加)により子どもを養育できなくなったときに、一時的に子どもを預かる子育て短期支援事業を行っています。
この子育て短期支援事業は、ショートステイやトワイライトステイと呼ばれていることもあります。
子育て短期支援事業は、児童相談所の措置ではなく、市区町村の役場が相談の窓口になっていることが多いようです。
乳児院の里親支援
4つめは里親を支援する役割です。
里親と子どもをつなぐマッチングの支援や里親に対する相談支援を行っています。