進級で子どもが不安定になるのでは?保護者を安心させるヒント

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進級で子どもが不安定になるのでは?保護者を安心させるヒント

進級という大きな節目の時期を前に、不安を募らせる保護者が増える時期です。さまざまな不安に対するアドバイスのポイントについて、ご紹介します。

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進級への不安

人見知りが強く、入園当初はなかなか園に慣れずに登園を拒む日もあったAちゃんの保護者から次のような相談を受けました。

「やっと今のクラスに慣れたと思ったら、進級でクラス替え・・・。また、園に行きたくないと言い出しそうで心配です」

このような相談を受けたときに、どのように対応したらよいのでしょう?このような場合は、年少組の1年間で見られたAちゃんの成長を伝えることで、うまくいくことがあります。

保護者は入園当初の登園を拒むAちゃんの姿を思い出して、不安にかられているのかもしれません。しかし、そんなAちゃんもいまではすっかりクラスに慣れ、楽しく登園しているのですから心配はないでしょう。この1年でたくさんの友達ができ、クラスの一員としての自覚も出てきたなど、保護者が気づいていないような園でのAちゃんの成長の様子を伝えると、保護者も安心できるでしょう。

「新しい環境で一時的に不安と混乱が生じるかもしれませんが、この1年の積み重ねもありますし、小さいお友達が入ってきて頼りにされる立場にもなるので、入園時より早く慣れると思いますよ。ただ、年中になるとそういった不安を、泣いて登園を拒むという形ではなく、別のサインで送ってくることもあります。急に甘えてくるようになったなどのサインが見られたら、またいつでも担任に相談してください」と保護者の不安をくんで、進級当初に予想される姿を明るく伝えながらアドバイスができるとよいですね。

進級へ向けてさまざまな不安に対するアドバイス

進級という大きな節目の時期を前に、不安を募らせる保護者が増える時期です。さまざまな不安に対するアドバイスのポイントについて、ご紹介します。

AちゃんとBちゃんはいつも一緒の仲良しさん。特にAちゃんはBちゃんへの依存が強くべったりです。そんなAちゃんの保護者からの相談で次のようなものがありました。

「うちの子は年長になってもBちゃんと同じクラスになりたいと言っています。私も、AがBちゃんと違うクラスになってしまったら、Aが園にいきたがらなくなるとのではと思うので、ぜひ同じクラスにしてほしいのですが・・・。」

このような相談には、どのように答えるのがよいのでしょう?

クラス替えで新しい集団に入ることで、子どもはさまざまな影響を受け、多面的に育つことができます。Aちゃんの保護者には、このようなクラス替えの意義も話しておくとよいですね。また、園が期待するクラス替えの効果を話したうえで、クラス替えで2人が必ず同じクラスになれるという約束はできないことも伝えておきましょう。

保護者は、Bちゃんと離れたAちゃんの園生活が楽しくなくなってしまうのではないかと心配しています。年中組の一年間で、Aちゃんが育った面を伝え、「年長組は、年中で培った人間関係を土台に、共通の目的を見出し刺激し合って互いに伸びていく時期でもあります。遊びによっては集団の人数も増えていきます。いまのAちゃんなら、すぐに新しい友達ができるでしょうから、心配はいりませんよ。Aちゃんがクラス替えの不安を訴えてきたら、それを受け止めつつ『Bちゃんとはクラスが離れても自由な時間は一緒に遊べるし、友達を増やしてみんなと遊ぶと楽しくなるよ』と話してあげてくださいね」とアドバイスをするとよいでしょう。

Bちゃんと離れることで期待される、Aちゃんの育ちについて、丁寧に話ができると保護者も安心するかと思います。

発達がゆっくりしている子どもの保護者へのアドバイス

言葉の遅れがやや気になるDくんの保護者からの相談で、次のようなものがありました。

「年中になれば、まわりの子はますます言葉が話せるようになるので、言葉の遅れが原因で友達ができないのではないかと気になっています。言葉に関しては、専門機関に相談したほうがいいのでしょうか?」

たしかに、クラスでのようすを見ていると、Bくんは友達に言い負かされてしまうため、手が出てしまったりすることもしばしばあります。

このような相談を持ちかけられた場合、進級の不安だけでなく、言葉の遅れに対する不安を受け止めてあげましょう。

保護者は、言葉の遅れが気になるDくんが新しいクラスで受け入れられるかということだけでなく、言葉の遅れそのものを心配しているようです。保護者も専門機関への相談を迷っているようなので、保育者から見ても相談したほうがよいと思ったら、「問題ないと分かれば安心できますし、一度相談に行かれてもよいかもしれませんね」と勧めてもいいでしょう。言葉の遅れが障害によるものではないと判断できるなら、「言葉の発達を促すには。大人がBくんの思いを先回りして言葉にしてしまわないことも大切です。例えば、Bくんが本を取ってほしそうにしていても、さっと本を取ってあげるのではなく、自分で『本を取って』と言うのを待つようにしてください」とアドバイスしましょう。

また、「園で思いをうまく友達に伝えられずにいるときは、保育者が間に入り、Dくんが言葉で思いを伝えられるように援助しています」と具体的に対応策を話し、保護者の不安を取り除くようにしましょう。

 

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ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび