小一プロブレムとは?その原因と解決策を保育の視点から考えてみましょう
小1プロブレムとは
職員同士の交流や連携のほかに、子ども同士の交流も
幼保小の連携や交流のいちばんの目的は、子どもが幼保から小学校へ進学するにあたり、環境や生活の変化にスムーズに適応し、小学校就学という育ちの大きな節目を順調に乗り越えていけるようにすることにあります。
そのために、幼保小の職員がお互いの教育や保育に対する考えや取り組みを知り、またお互いの子どもの生活や姿がどういうものかを理解しておくことがとても重要であり、求められることでもあります。
なので、幼保と小学校がただ一緒に何かの行事に取り組む機会を持つというだけの連携や交流では、不十分といえるでしょう。
幼保と小学校、双方の職員が、幼保から小学校へとつながっていく子どもの育ちをともにみていくという意識をもって、互いの生活が見える交流活動を目指すことが大切です。
継続的に活動していくことが大事
職員間、子ども間の交流、どちらについても、いえることですが、活動をすることが目的ではなく、活動によって何を得ようとしているのか、その目的を見失わないようにしなければなりません。そのためには、交流活動を指導計画のなかに、しっかりと位置付けていくことも必要になりますね。
さらにこのような連携や交流の活動は、継続的に行うことも重要で、一時的なものに終わってしまっては意味がありません。
交流活動を持続させるためには、双方の職員にとって負担になりすぎない活動をしていくことが大切なことです。
連携や交流のための活動を、特別に設けてしまうと負担が大きくなってしまいます。
普段の活動や、行事のなかに、交流の活動を組み込んでいくことが重要になるのではないでしょうか?
無理のない、活動の設定が、継続的な交流を行っていくための鍵でもありますね。
小学校に入学してからの育ちを見る
園でみていた子どもが、小学校に入ってからどのように育っているのかを知ることは、保育者自身の教育や保育を見直すうえでも非常に大切なことですね。
園に在籍していたころはしっかりしていたのに、小学校では授業に集中することができずに不安定になっているということがあれば、在園中の保育にどこか欠けていたのか、何を育てることができなかったのかを振り返り、その反省を今後の教育や保育にいかしていくこともできますね。あのときにこうしておけばよかった・・・と振り返っても仕方ないのですが、それでも、これから園でみていく子どもに応用することができます。
ただ、気をつけたいのは、小学校への滑らかな接続とは、幼保で文字や数の基礎を習得させたり、小学校で幼児教育を取り入れるということではありません。小学校での学習に集中できないのは、幼保で文字などの学習を取り入れていなかったから、ではないのです。
園で育むことができる、幼児期に身につけておきたい総合的な力とは何か。小学校での生活や学習を支える力とは何かを知ることが大切なのです。
例えば、言葉を使ってコミュニケーションをとる力、集団生活の中で自制心をもちつつバランスよく自己発揮できる力、想像力をもって問題に取り組む力など、今の子どもに足りないといわれるこういった力の基礎を、幼保の教育や保育のなかで、どのように身につけ、小学校につないでいけるのかが、保育者の今後の重要な課題になっていくでしょう。
園から小学校への申し送り、保育要録、指導要録とは?
幼保小の連携や交流として、保育園から小学校へ「保育要録」を、幼稚園から小学校へ「指導要録」を送付することになっていますね。
指導要録や保育要録は、子どもが園でどのように育ってきたのかを簡潔にまとめたもので、小学校においては子どもの育ちを支え、子どもの理解を助ける貴重な資料となるものです。子どものマイナス面だけじゃなく、その子どもの良いところや全体像がわかるように書きましょう。
園で培った力、今後もっと身につけてほしい力を小学校の先生にも理解しやすいように明確に書く必要があります。
書くべき内容や項目については、各自治体によって異なるものですが、それに沿って、作成していきましょう。
また、指導要録や保育要録の送付については、懇談会や説明会などで保護者に伝えておくことも大切なことです。また、保護者から自分の子どもの要録を見たいという申し出があった場合、園は開示する義務がありますが、だからといって、保護者の目を意識しすぎた内容にするのは望ましいことではありません。
小学校で子どもの理解を支える資料となるように、ありのままの子どもの姿を伝えられる要録の作成を心がけていきましょう。