友達関係や友達との関わりを広げるには?

友達関係や友達との関わりを広げるには?

入園、進級から1〜2ヶ月がすぎ、新しい園生活にも慣れはじめた子どもたちは、少しずつ周囲への友だちへの意識を高め、積極的に友だちとの関わりを持とうとし始めます。このような時期、保育者は子どもどうしの関わりをどう見守り、広げていけばいいのか、いしょに考えていきましょう。

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友だち関係の広がりは、「個」の育ちのうえに成り立つもの

人との関わりを通じて社会性の芽を育むことは、集団生活の場である園でこそ重ねられる貴重な体験です。幼稚園教育要領や保育所保育指針にあげられる5領域のひとつである「人間関係」の領域に示されているように、保育者や友だちと生活するなかで、いっしょに過ごし、活動することの充足感や喜びを味わうことは、幼児期の子どもにとって、とても大切なことです。

入園や進級後まもない4月をすぎると、しだいにクラスも落ち着き始め、子どもどうしの関わり合いも見られるようになります。保育者は、子どもの友だち関係をより豊かなものへと発展させていけるよう、積極的にその関わり合いをサポートしていきたいものです。

そうはいっても、友だち関係の広がりは「個」の成長のうえに成り立つものであることを忘れてはいけません。友だち関係を豊かにしたいと考えるあまり、いきなり子どもどうしを結びつけてもよい結果は生まれてこないでしょう。まずは、子ども一人ひとりがしかっりと「個」として育っていることが重要です。入園や進級によって置かれた新しい環境で、子どもが自分の居場所、あるいは好きなあそびやおもちゃを見つけて、保育者との信頼関係のもと安心して生できる基盤は整っているでしょうか。このような生活の基盤があって初めて、子どもは主体的に物事に取り組めるようになります。そして、その主体的な活動のなかでこそ、友だちとの関わりは生まれてくるものなのです。

環境になれるスピードも含め、子どもの発達や成長には個人差があります。まずは、保護者から離れて生活する園という環境のなかで、自己発揮する力を身につけてこられているかを見極めながら、子ども一人ひとりの成長のタイミングをとらえて友だちづくりのサポートをしていきましょう。

友だち関係を広げる、関わりのポイント

3歳児

この時期は、友だちよりも物(おもちゃ)へのこだわりが強い時期です。一見、子どもどうし頭をつき合わせてあそんでいるように見えても、それは友だちありきのねらいをもったあそびであることは少なく、たまたま同じおもちゃであそびに興味がある者どうしが集まった偶発的なあそびであることがほとんどです。

この時期のサポートとしては、まずは好きなあそびやおもちゃが同じ子どもどうしを、保育者が仲立ちして徐々につなげていきましょう。そのためには、保育者が子ども一人ひとりと十分に関わり、関係を築いておくことが必要です。保育者があそびをリードしながら、子どもどうしの関わりを促していきましょう。手作りのおもちゃなどは、子どもの人数分を用意しておくと、安定してつながりがもてます。

例えば、砂場あそびのときに、一人であそんでいる子どもに、「○○ちゃんの泥団子、つるつるしているね」などと、言葉をかけることで、他の子どもに関心をもつきっかけになります。

4歳児

友だちへのこだわりが強くなり、「友だちといっしょに○○をしてあそぶ」ことが楽しくなる時期です。しかし、まだ相手の気持ちを考えたり、自分の気持ちをコントロールしたりすることが十分にできないため、友だち間でのトラブルも少なくありません。

この時期のサポートとして、試行錯誤しながら友だちとの付き合い方を学んでいく時期なので、保育者は子どもといっしょにあそびながら、遊び方ややり取りの見本となり、トラブルの調整役となっていきましょう。また、簡単な共同活動はできるようになるので、当番活動などを取り入れ、少しずつ友だちと協力したり、友だちのために何かをしたりするといった体験を増やしていくのもよいでしょう。

5歳児

見通しや目的をもって、複雑なあそびを楽しめるようになる時期です。子どもどうしでルールや役割を決めるなど、話し合ったり、協力したりしてあそびを発展できるようになります。

子どもどうしで考え、話し合い、協力してあそびや活動ができるよう、保育者は一歩引いた場所から、子どもを見守ることが大切です。子どものなかに入り過ぎると、保育者の指示やジャッジが入ってしまいがちです。子どもが困ったときに助言するようにしましょう。
お楽しみ会や作品展の企画など、みんなで感が協力し合える場をつくることで、子どもどうしが関わりを深められる機会を設けられるとよいですね。

子どもの友だち関係を広げるために、どのようにサポートしたらよいのか

園生活に慣れてきた年少児。しかし、まだ子どもどうしで積極的に関わりあう姿は見られません。どのように友だち関係を発展させていけばよいのでしょう

子どもが園に慣れて一段落すると、「友だちはできましたか」「なかよくあそんでいますか」といった友だち関係に関する質問が保護者から増えてくるでしょう。そんなこともあり、保育者も友だち関係の発展を気にしてしまいがちですが、この時期は、まだまだ一人でじっくり遊び込めるようになることが目標です。それができるようになると、子どもは自然と周りに目が向くようになります。
「Aくんも○○が好きなんだって」「見て、Bちゃんがおもしろいことをやっていると」などと、友だちの名前をたくさん出すと、周囲の友だちへの意識づけにつながります。子どもはゆっくりと発達のステージを上がっていくので、「早く友だちを」と焦ることはありませんが、たくさんの友だちがいる、という楽しさに気づくことばかけをすることは大切なことです。

「友だちをつくらせる」のではなく、園生活に慣れてきた時期ということも忘れずに。保育者が焦るのではなく、保護者からも子どものことをたくさn聞き出し、どんなものに興味があるのか家でのようすをきいて、子どもへの理解を深めるようにしましょう。

なかなか友だちの輪に入っていけない子どもがいて、気になっている。「いっしょにあそぼう」と誘っても「いや」と断られてしまうことも。どのように友だちとの関わりを増やしていけばよいのか悩んでいる

できあがっている輪のなかにあとから入っていくことは、気がひけることもあるでしょう。躊躇なく「入れて」とあそびに入っていける子どももいますが、そうはできないタイプの子どももいます。「あそぼう」と声をかけても断られる、というのも、あそびたくないのではなく、誘われる立場に気後れがあるのかもしれません。
あそびに引き込んだり、誘うのではなく、その子の遊びにはいっていくというアプローチをしてはどうでしょうか。例えば、一人で絵を描いていたら、「動物の絵を描くのが上手だね。先生はパンダの絵を描くのがうまいんだよ」などと声をかけてみてはどうでしょう。保育者といっしょに遊んでいると、他の子も興味をもってよってくるので、そこでその子の絵のうまさをアピールしたり、「それじゃあ、Aくんはゾウを描いて、Bちゃんはキリンを描いて、みんなで動物園を描こう」などとあそびを発展させていってもよいですね。

周囲の子どもの交友関係は活発化しているのに、Aちゃんは一人あそびが多く、自分から友だちと関わろうとしません。あまり友だちを必要としていないように見えるのですが、それならばそれを個性として受け入れるべきなのでしょうか。

Aちゃんは、友だちとあそぶ「きっかけ」がつかめていないのかもしれません。「今日は先生のお助けマンになってね」などと声をかけ、Aちゃんといっっしょに友だちがあそんでいる姿を見て歩いてみてはどうでしょうか。いっしょに動くことで、Aちゃんが友だちのあそびに興味をもった瞬間をその表情などからつかむことができるはずです。そのタイミングを逃さずに、保育者もいっしょにAちゃんとあそびに入っていくと、Aちゃんもあそびに入りやすくなります。

もちろん、「一人あそびが好き」というのは個性として認めるべきことです。しかし、友だちとの関わりのなかで育つこともたくさんあるので、個性だからそれでいい、と完結することなく、Aちゃんが友だちと関わる楽しさを感じられるきっかけを、どんどんつくっていきましょう。

一人あそびが好きな子と、気が合いそうな子をみつけ、いっしょにあそべる機会を設け、友だちのよさに気づいてもらうというのもひとつの手でしょう。

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3歳児 4歳児 5歳児
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび