気になる子どもの事例や特徴を知って支援するねらいとは

気になる子どもの事例や特徴を知って支援するねらいとは?

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しかられると嘘をつく子どもの事例

しかられることは、子どもにとってつらいことです。日ごろから、家庭で理不尽に叱られたりしている子は、しかられることから逃げたい一心で、笑ってごまかそうとしたり、嘘をついて自分を正当化しようとしたりする癖がついていることがあります。しかし、しかる側の大人との間に信頼関係があり、何が悪くてしかられているのかが明確に伝えられていれば、子どもがしかられることから逃げたりせず、きちんと話を聞くようになります。

一方的にしかるのではなく、まずは、子どもの言い分を聞いたうえで、静かなトーンで話をしましょう。4~5歳児であれば、「それはいいこと?悪いこと?」と尋ね、悪いことだと答えたら「どうしたらよかったかな?」と自分で考えさせるとよいでしょう。

しかったあとも、子どものようすを見守り、しかられたことへの改善が見られたら。「今日はしっかりできたね」と声に出して褒めてあげましょう。本当のことを言ったときや、すなおに「ごめんなさい」がいえたときは、謝れたこと、反省できたことを大いに褒めてあげましょう。自分の成長を見守り、喜んでくれる保育者のことばには、子どもは素直に耳を傾けるようになります。

お友達に手が出たときに、やっていないと嘘をつく子には、「ちょっとたたいたの?」と「ちょっと」や「すこし」をつけて聞いてみるとよいでしょう。「たたいた?」と聞くと「たたいてない」と答える子どもも、「ちょっと」をつけて聞くと「うん、ちょっとたたいた」と答えることが多いです。

また、嘘をつく子は、クラスのみんなの前で注意すると頑なに嘘をついていないと言い張るので、保育者と1対1で話をするようにしましょう。「嘘をついたら、先生いやだな。本当のことを話してくれたほうが、先生は怒らないよ」と話すのもよいでしょう。

いばりんぼうな子どもの事例

自分が使いたいおもちゃや遊具があると、ほかの子どもが先につかっていても、言葉でごり押しして、自分で使う。

率先して、他の子どもと遊ぼうとするが、提案するルールを自分で決め、そのルールに反対する意見はきかない。遊びのルールを都合のよいように変えていくことも。

こういう、自分の気持ちだけを主張して、相手に命令的に接する、いばりんぼうな子どもは、友だちから敬遠される存在になってしまうこともあります。

一方で、遊びのアイデアが豊富だったり、運動が得意など魅力的な面も多いので、友だちから一目おかれている存在になっていて、取り巻きのような子どもたちが常に何人かくっついているのも、いばりんぼうば子どもには多いです。

4歳児くらいだと、周りの子どもたちは一方的にいばられていることに気が付かないこともありますが、5歳児にもなると、次第に理不尽だと気が付き始めます。

友だちから敬遠されないためにも、早くから「自分だけはすごいのではない」「みんなが対等」ということに気づかせ、協調性が身につく対応を心がけることが大切です。保育者が率先して、Aくんは走るのが早い、Bちゃんはお絵かきが上手などと、みんなのすごいところにスポットを当てて、自分以外の子どものいいところに気が付けるようにしていきましょう。

また、いばりんぼうな子どももよいところがたくさんあって、例えばリーダーとしての素質を備えている、他の子どもをうまくまとめあげられるという子どももいます。

人に自分の意見を伝えられる、人をまとめられるというよいところもあるので、そこはきちんとほめることも大切なことです。

5歳児であれば、「みんなが楽しく遊べるように、自分の意見だけをじゃなくて、友だちの意見もきくと、みんなのリーダーになれるよ」と、リーダーとしての素質をいい方向に伸ばしていきましょう。

また、友だちからの注意も、効果的なことがありますので、命令されている子どもたちに、「いばらないで」と、本人に言える機会を設けるのも、よいかもしれません。

友達の言いなりになってしまう子どもの事例

自分の思いを言わず、いつも友達に合わせて遊んでいる子はいませんか?

本当は嫌な思いをしているのでは?と心配になりますが、本人は活発な友だちにリードしてもらっていることを心地よく思っていることも少なくありません。しかし「こうしたい」という主体性をもって、ときにはその気持ちを口に出して言えるようになることも大切なことです。

自分の思いをくちい出さない子でも、決して思いがないわけではないので、折に触れて「○○ちゃんは何がしたい?」「楽しかった?」と声をかけ、思いを口に出せる機会をつくっていきましょう。

また、思いはあっても、それを口に出す勇気が持てずにいる子もいます。そのような子には、日ごろから自身が持てるような関わりを心がけていくことも必要です。その子の得意なことや、がんばりを汲み取り、「○○ちゃんがね、・・・」とみんなに伝えるのもよいでしょう。

朝の会やお誕生会で、インタビューをするなど、みんなの前で子どもが話す場を設けるのもよいですね。

保育者と一対一で接する機会を多くつくり、たくさん話しを聞いてあげることで、その子が自分の思いを口に出せるように取り組んだり、みんなの前でその子のよいところを話し、たくさんほめたりして自信をつけさせると、いつのまにか自分の思いを伝えながら遊べるようになることもあるようです。

また、「思いはことばにしないと相手に伝わらないよ」と話し、それから子どもの思いを聞いて、一緒に相手のところにいって、自分のことばで伝えられるように促すこともよいでしょう。何を伝えたいのか、ことばで言えるようになるよう取り組んでいきたいですね。

友達を独占したがる子どもの事例

いつも同じお友達と2人で遊んでいて、他の子どもが2人と一緒に遊ぼうとすると、「だめ!○○ちゃんはわたしと2人で遊ぶの!」と誘ってきた友達を追い返すように言っている・・・。

大好きな友達がいることはよいことですが、その思いが強すぎて「○○ちゃんは他のお友達と遊んじゃだめ」「他の子は仲間にいれたくない」という方向にいってしまうのは残念なことですね。大好きな友だちとの関係は認めながらも、他の子も交えて楽しく遊べるように導いていきたいところです。

そのためには、日々の活動のなかで、特定の子以外の子にも、自然と目が向くような工夫をしてみるとよいでしょう。グループ活動をするときは、あえてお気に入りの子と分けるなど、保育者が主導し、ほかの子と関わる機会を多く作るとよいでしょう。いろいろな友たちと関わることで、その魅力に気づいていけるとよいですね。また、友達と協力し合うことの楽しさも経験できるとさらによいので、給食当番やグループ製作といった活動を、積極的に取り入れていきましょう。

自由遊びのときには、保育者も2人の遊びの中に入っていくとよいでしょう。「○○ちゃんとだけ遊びたい」という子も、保育者が一緒だと。他の友だちも交えて複数の子どもと遊びやすくなります。保育者が関わって、他の友達と遊ぶことの楽しさに気づけるとよいですね。

クラスのなかでは、席替えをしてみるのもよいでしょう。遊ぶ友達がかわることがよくあります。遊びのなかで、他の子のよいところや気の合うところが見つけられれば、ひとりの子への独占欲は薄くなっていくでしょう。また、4~5歳児であれば、相手の子は他の友達と遊びたいときもあることを話し、いつも自分が遊びたい子と遊べるわけではないことを伝えてみてもよいでしょう。

友達に譲って我慢してしまう子どもの事例

まじめで、保育者の話しをよく聞いて、自分が遊んでいるおもちゃも友達が欲しがれはすぐにゆずっている・・・。あまりにも聞き分けがよすぎて心配になる子どもっていますよね。

幼児期というのは、本来「自己主張」の時期です。自分の意見を聞いてほしい、自分のことを見てほしい、注目されたい、そういう欲求がとても強いときです。友達とぶつかり合うことがあっても、園生活で自己主張ができることは、大切な成長の証ともいえます。

この時期に、競うことやトラブルをさけて自分を抑えてばかりだったり、親や保育者にほめられることを期待した行動が多すぎると、本人が苦しいばかりでなく、自我の成長がゆがめられてしまうこともあります。

実際、子ども自身が「いいよ、どうぞ」と友達にゆずっている場面ではトラブルはないため、保育者は介入しずらいものですが、いつも我慢ばかりしているようなら「Aちゃんが使いたいなら、『あとで』ってお友達に言ってね」とAちゃんの気持ちを代弁してもよいでしょう。

こういう子どもは、家庭で厳しいしつけを受けていたり、保護者が子どもに対して指示が多い、いわゆる過干渉の環境にいる場合に多く見受けられることもでもあります。「自分の正直な気持ちを抑えなくてもよい」ということを園で伝えるとともに、保護者ともよく話しをして、見守っていきましょう。

気が向かないことをやろうとしない子どもの事例

クラスで一斉にする工作やお絵かきに、拒否反応を示したり、運動会の練習に気乗りしないのか「イヤ」「やりたくない」と言って何もしなかったり、席を立ってしまう子どもはいませんか?誘ってもダラダラとしているだけで何もしない子どもはいませんか?

行事の練習では、何をするのかわからなくて不安で入れない子どもや、活動を強制されるのがイヤな子ども、ふだんと違う行事の雰囲気が苦手な子どもなど、さまざまな子どもがいますね。まずは、その子がなぜやってみたいと思えないのか、子どもの内面を含めてじっくりと考えてみましょう。

参加しない子どもには、最初は「見てていいよ」と、場所を確保します。それで見ていられるのなら、参加していると思って大丈夫です。見守りながら声をかけたり、自由活動の時間に遊びながら経験ができるように道具を出しておいたりすると、いつの間にか活動に加わっていたりします。

お絵かきなどの造形活動も、参加を強いることは禁物です。ほかの子どもが描くのを見ていてもいいですし、クレヨンを絵の具にするなど、道具を変えたら参加できるようになることもあります。その子どもが得意な遊びや活動をヒントにして、保育者は柔軟な発想で、子どもの意欲を引き出していけるといいですね。

友達にやりたいことを強要する子どもの事例

明るく活発な子ではあるものの、まわりの子に自分のやりたい遊びばかりを主張する子や、ごっこ遊びで「私はママをやるから、Bちゃんは赤ちゃんね」と有無を言わさず相手に役割を強制する子はクラスにいませんか?こういう子は「~して」と友達に命令口調が多いのも気になります。こういう子に従っている子は、おとなしい子も多く、本当に楽しめているのか、心配になりますね。

さて、実際の園の現場では、どのように配慮していけば、よりよい保育になるのでしょうか?

集団の中では、友達の先頭に立って遊ぶのを好むリーダータイプの子どもの出てきます。一方で、そういう子どもについていくことで仲間に入れたり、楽しく遊べている子もいます。ですから、一見まわりの子が命令されて我慢しているように見えても、ただそれだけのうちは、保育者が援助する必要はまだありません。

ただし、遊びの中で、泣く、ケンカが頻繁に生じる、園に行きたくないと訴えるなど、周りの子に不満が強くなっているようすがあるのなら、保育者が間に入って対応します。

「ままごとやろううよ」と言われた側の子が嫌がっているようなら、「Cちゃんは別の遊びがしたいみたいだよ。聞いてみようか」と、相手の気持ちを聞いてみるよう、命令した子に提案してみるのもよいでしょう。

お友達にいじわるをしたり、仲間はずれにする子どもの事例

「ねぇねぇ、○○ちゃんと遊ぶのやめよーよ」などと、お友達を誘って、仲間外れにしたりする子はクラスにいませんか?

子どもがいじわるな言動を繰り返すのには、いくつかの理由が考えられます。ひとつは、相手の気を引くための、いわゆる「ちょっかい」です。相手の子と遊びたい、かまってもらいたいという気持ちを、適切な方法で伝えることができずいる子には、保育者が「そんなことをしたら○○ちゃんは、嫌な思いをして一緒に遊びたくなくなるんじゃないかな?『一緒に遊ぼう』って言ってみようか」と、よい関わり方を具体的に教えてあげるとよいでしょう。

もう一つは、何らかのストレスが原因で、それがいじわるな言動になっている場合です。いじわるをされた子がどう思うか、その気持ちに気づくことができるように導くことも大切なのですが、このような子どもの場合は、ストレスの原因を探り取り除く配慮も必要です。十分な愛情を得られずにいるといった保護者との関係が影響している場合は、園では根本的な原因を取り除くことが難しい場合もあります。それでも、園での生活のなかでは、子どもが周囲から認められたり、愛されているという実感がもてるよう、子どもの心がほぐれるような、温かい関わりができるよう心がけていきたいですね。

また、仲間はずれにする子どもだけでなく、される子どもにも目を向けると、解決しやすいこともあります。仲間外れにされている子どもがどうして、そのようなことになっているのか、じっくりと観察をしてみるのもよいでしょう。

仲間はずれにしている子ども、仲間はずれにされている子どもも一緒に遊べる鬼ごっこなどを提案するのも、解決しやすくなるでしょう。集団遊びを通じて、みんなで遊ぶことを楽しいと思えるようにしていったり、あえて苦手な子どもとペアにして、少しずつ仲良くなれるような機会を作っていけるとよいですね。

すぐに手がでたり、乱暴なことをする子どもの事例

集団生活の中で少し気になる子ども、いますよね。乱暴な言動が多い子どもへの対応をご紹介したいと思います。

◎しかるばかりでなく、よいふるまいができたときはたくさん褒めてあげましょう

乱暴な言動が多い子どもは、保育者が先回りして、「○○しちゃいけません」「○○しちゃだめ」と注意してしまいがちですね。確かに放っておくと危ないときもあるので、一概にはいえないのですが、他の子どもに手が出てしまう子どもというのは、大人の気を引きたい(他の子どもをたたくと大人がすぐに来てくれる)、大人に甘えたい気持ちの裏返しのときもあるので、適切な対応ができるとよいですね。

もちろん、乱暴な言動にはそのつど注意が必要ですが、手を出したり、口にしたりせずに気持ちを抑えられたときは、「がまんできて、えらかったね」と声に出して褒めてあげてください。

また、頭ごなしにしかるのも、よくありません。気持ちのコントロールが苦手な子どもの場合、保育者の感情的な態度によって、よけいに気持ちが高ぶってしまうこともあります。「嫌な気持ちになったから、たたいちゃったんだね。でも、たたくのはよくないよ。『こうしてほしい』といえるよね?」と乱暴な言動をした子どもの気持ちを受け止めつつ、それは悪いことであると教え、よりよい伝え方を落ち着いて話しましょう。

また、乱暴なことばは、その子の家族が日常的に使っていることもあるので、気をつけてもらえるよう保護者にも伝えていきましょう。なかなか面と向かって言いづらいときは「最近、乱暴なことばを話すことがあるのですが、テレビか何かで見ているのでしょうか?」などと話してみるのもよいでしょう。

注意すべきところを、きちんと注意して、褒めるべきところをきちんと褒めることが大切です。

1番にこだわる子どもの事例

「1番」にとてもこだわる子どもっていますよね。並ぶ順番でも、何が何でも自分が1番じゃないと気が済まず、他の子を押しのけてしまうことも。きちんと自分の順番を待つのが苦手な子、あなたのクラスにいませんか?

「貸して」と言わずに、友達のものを取ってしまったり、自分が使い始めると今度は人に譲ることができない子、いませんか?おもちゃの貸し借りのルールを何度教えても、なかなかうまくいかない子、いませんか?

「できた子から持ってきて」「靴をはけた子から並んで」と言うと、1番になりたくてトラブルが起こるほど、こだわりの強いタイプの子もいますね。いつも行動の早い子が先というのではなく、グループごとに並ぶなど、順番が競争にならない工夫が必要です。順番にこだわる子には、認めてもらいたいという気持ちが強い場合もあります。クラスを代表してお手伝いを頼むなど、違うことで気持ちを満たせるようにするのもいいかもしれません。

モノの貸し借りでは、ルールを教えて、それを守らない子を叱るだけという対応は避けたいもの。そのときどきに応じて、貸す側、貸してほしい側の双方の気持ちをきいて、「Aちゃんは今、使い始めたばかりだから、ちょっとまって、あとで貸してもらおうね」と、それぞれの子どもが納得できるように橋渡しをしていきましょう。子ども同士で「貸して」「ダメ」というやりとりがあると、「ダメ」と言った子どもを叱りがちですが、貸したくない気持ちにも目を向け、どちらの子どもも納得できる対応を考えていきましょう。

集団生活に慣れてきた時期には、グループ活動などで人数より少ない数の道具をあえて用意し、順番に使っていくことを経験する場面を作ってもよいでしょう。「どうぞ」と言った子も「ありがとう」と言った子も、どちらもちょっと誇らしい気持ちになり、譲り合う気持ち良さを実感できます。

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ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび