1歳児や2歳児に散歩は必要?散歩のねらいと配慮とは?
春や秋は気候がよく、外を歩くのに気持ちよい季節ですね。
子どもたちが楽しく安全に散歩できるよう、保育者はどのようなことに気をつけ、準備をすればよいのか、考えてみましょう。
目的地や散歩コースは安全面に配慮して選ぶ
外気に触れ、適度に体を動かすためにと、散歩にでかける園は多いでしょう。
春や秋でも、日差しがきつかったり、風が冷たいときもあります。
日差しがきついときは、日陰があって自然の多い、近隣の公園などに出かけるのがおすすめです。
春ならきれいに咲いている花をみたり、秋なら色づいた葉を見たり、木の実を拾ったりして、自然を満喫しましょう。
散歩の行き先は、見通しがよくてあまり広すぎず、保育者の目が行き届く場所を選びます。
入り口が車道に面する場所は避けましょう。
1歳児はアスレチックなどの遊具がないところが安全で、2歳児にはジャングルジムなどがあってもよいでしょう。
ブランコは保育者がつかないと危険なので、散歩の際は使わないことを、子どもと約束しましょう。
子どもたちには、道路を渡るときには手を上げる、白線の内側を歩くなど、交通ルールを意識させましょう。
出発前のチェックポイント
散歩用リュックの準備
子どもの転倒など、散歩中はさまざまなアクシデントが考えられます。
保育者はどんなトラブルにも対応できるよう、必要なものを予め備えておき、散歩前に確認して出かけましょう。
散歩用リュックの中身の一例
ティッシュ/タオル/おむつ/おしりふき/着替え/ビニール袋/ぞうきん(雨でぬれた遊具をふくときなどに使用)/水(水分補給、傷口を洗い流すときなどに使用)/ブルーシート(おむつ替えや休息を取るときに使用)/救急セット(ばんそうこう、包帯、ガーゼなど)
お散歩マップの活用
園の周辺地図上に、散歩の行き方を示したお散歩マップ。安全か、子どもたちの発達に合った遊具があるか、などの基準を満たした場所を記載し、一覧できるようにします。
保護者の目に触れる場所にマップを貼ることで、散歩の行き先がひと目でわかるほか、ふだん子どもたちがあそんでいる場所を知らせることもできます。
子どもは、園内の通称であそびに行く場所を呼ぶことも多いので、マップには正式名称と通称を併せて記しましょう。
散歩の目的地は、公園やお花畑、畑のように行事で向かう場所など数カ所を設定し、記載するとよいですね。
楽しく安全に散歩にでかけられるようにはどのようにしたらよいのでしょう?
保育者が悩みやすいことに、お答えします。
子どもが木の実や虫など、みつけたものを何でも触ってしまいます
子どもの好奇心を大切にするため、害がないものであれば、基本的に触ってもよいでしょう。
ただし、毛虫などの危険な虫や植物は触らないよう、あらかじめ子どもたちと約束をしておきます。
また、バギーでの散歩中や乗降時は、手すりから手を離すと危険です。
触ってはいけないときと場合も伝えておくことが大切です。
また、ふだんから保育者は危険な虫や触れてはいけない植物について把握しておきましょう。
子どもの歩行ペースがバラバラで、集団で歩けない
歩行がまだ安定していない子どもは、お散歩ロープの先頭につかまらせる、手をつないで歩く場合は、落ち着きがない子とリードしてくれる子をペアにするなど、歩く順番などに配慮しましょう。
散歩途中で木の実を拾うと、立ち止まったりロープや友だちから手が離れたりして歩くペースが乱れます。
誤飲の心配もあるので、拾ったものは保育者に渡すよう伝えておくことも大切です。
保育者は先導して全体をみる役、後ろでフォローをする役、子どもたちの横でサポートする役など担当を決めて、スムーズに行動できるようにします。
一人ひとりが動き回ってしまい、まとめられません
散歩に出かける、また散歩先から帰るときは、子どもを1箇所に集め、落ち着かせてから出発しましょう。
例えば散歩に出かける前、子どもたちを集めてお茶を飲み、飲んだ子からバギーに乗ったり、お散歩ロープにつかまったりするように習慣づけます。
子どもたちの好きなキャラクターのシートを広げて、そこに集合させるのもよいですね。
また、落ち着きのないときは「どの道で帰ろうかな」「今日のお昼ごはんは何かな」など、興味を引くような言葉をかけ、保育者に注意を向けさせましょう。
公園ではどのようなあそびをしたらよいか
1歳児や2歳児を公園に連れていったときに、どのようなあそびをしたらよいのでしょう。
例えば、秋ならどんぐりや落ち葉ひろいが楽しいですね。
持ち帰りたがる子どもも多いので、おみやげバッグを用意しましょう。
おみやげバッグは金魚すくいで金魚を入れる袋のような、口の閉じるビニール袋がおすすめです。透明で中身が見え、ひろったものが落ちないので、持ち歩きに便利です。
また、2歳児は影踏みや鬼ごっこなど、ルールのあるあそびが少しずつできるようになります。
ただし、正式なルールを理解するのはまだ難しいので、ルールを簡略化してあそびましょう。
全員で同じことをするのが楽しい時期なので、影ふみならみんなで影をふみあう、鬼ごっこやかくれんぼなら、みんなで逃げたり、隠れたりするなど、発達段階をふまえたルールを設定しましょう。