自然体験や動物との遊びを保育に取り入れるヒント、ねらいとは?

自然体験や動物との遊びを保育に取り入れるヒント、ねらいとは?

身近な自然が減っているといわれる今、園で子どもが動植物や自然と関わることができる体験の場を設けることは、子どもの成長にとってかけがえのない経験となるでしょう。

自然や動植物を関わる体験を、より豊かな育ちの場とするためのポイントをご紹介します。

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自然や動植物とのかかわり、ふれあいが豊かな心と感性を育てる

身の周りのことに「これは何?」「たのしそう」「おもしろそう」「ふしぎ」と関心を寄せ、興味をもつことは、子どもの活動や学びの原動力となります。

さらに、いろいろなことに関心や興味をもつことは、多くの知識を得るだけでなく、感性を磨いたり、豊かな生活を送るための選択肢の幅を広げたりすることにつながります。

なので、幼児期には子どもの好奇心を刺激するようなさまざまな体験をできる環境を設けられるとよいですね。

屋外で自然とふれあうときのポイント

自然界に起こるさまざまな現象や創造物には、人間界とはちがう、美しさや力強さがありますね。

そのような自然とふれあうことで、得られる発見や驚きといった心を動かす経験の積み重ねによって、子どもの感性はより豊かなものへと育まれていきます。なので、保育者は、日々の保育のなかで、身近な自然の創造物や変化を子どもに気づかせたり、あるいは子どもが自然に対して、より興味をもてるようになるきっかけをつくったりする取り組みを心がけることが大切になってきます。

毎日目にする、園庭の草木の花が咲く、実がなる、紅葉する、葉が落ちるといった変化を通じて、季節の移り変わりを感じることもできますね。寒い日の朝に、水たまりが凍っていたり、地面にできる霜柱も、自然のすばらしい創造物です。

このような自然の変化や創造物を日々の取り組みのなかで、子どもの成長のために教育や保育の中に取り入れられるよう、保育者自身がつねにアンテナをはって、いつも何かに感動できる柔軟な心を持って、備えられたらいいですね。

見つけた草花や虫の名前だけでなく、その名前の由来やその動植物の面白い習性や特徴などを、保育者が豆知識として教えられると、子どもの興味や関心をより高めることができます。また、知らない動植物のことは、ミニ図鑑などで子どもと一緒に調べることもよい体験になります。

動植物を飼育する、育てるときのポイント

植物を栽培したり、小動物や昆虫を飼育したりすることは、子どもの好奇心を引きだし、学びの芽を育むことになりますね。

ただ、子どもの好奇心は飼育し始めだったり、栽培し始めのみで終わってしまい、なかなかその興味を持続させるのは、保育者の工夫が必要なこともあります。

例えば、チューリップを育てるときに、初めて球根を見せるときは、「これはチューリップという花の球根で、土に植えておくと芽が出て、花が咲きます。今日からみんなで観察しながら世話をしましょう。きれいな花が咲くとよいですね」と話すより、「これ、なんだと思う?」「どうやって育てるといいかな?」と疑問を投げかけて、子どもに考えるきっかけを与えるほうが、より関心が高まります。栽培するときは、日当たりのよいおところに植えた球根、日影に植えた球根というように、栽培の条件を変えて、成長過程を比べる実験スタイルにしてもよいでしょう。

比べて観察することで、興味が持続するメリットもありますが、あえて正解ではない方法を試し、結果だけでなく、実体験で学ばせるということも大切です。

命あるものをいたわる気持ちと責任感を育みましょう

子どもは、つねに自分が周囲の大人に大事にされ、世話をしてもらう側にあります。

そんな子どもたちが、初めて自分が世話をする立場になるのが、動植物を育てる、飼育するという経験をするときでしょう。

動植物を育ててみると、途中で枯れてしまったり、病気になったり、死んでしまったりと悲しい体験をすることもあるでしょう。そのようなときは「どうして枯れたのか、死んでしまったのか」ということを子どもに考えさせることも大切です。

動植物を育てるといった経験から、愛情をもって毎日欠かさずに世話をしないと生き物は育たないということや、きちんと世話をしていても、死が訪れるときがくるのが「命」であるということに、子どもが気づける関わりをしていけたらいいですね。

そこから、子どもは命を大切に思う心や、小さいもの、弱いものへの思いやりの心を育んでいきます。

例えば、チューリップを育てるときに、球根に名前をつけてみてはどうでしょう?名前をつけることで、子どもは愛着を感じやすくなります。名前があると、チューリップを擬人化しやすく、より身近な存在に感じることができます。

例えば、飼育していたカタツムリが死んでしまったときは、死体を隠したりせず、子どもといっしょにしっかりと「死」と向き合いましょう。土に埋めてお墓をつくり、子どもの気持ちのなかで、飼育していたカタツムリの死を完結させてあげることも大切です。

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屋外での活動
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび