1歳児や2歳児に必要な午睡時間や環境を考えて健やかな育ちにつなげましょう
秋になると体力があまり、なかなか寝つけないというのは、1歳児や2歳児にはよくみられることですね。
また、自己主張も強くなってきて、「寝ない」「寝たくない」と、かたくなに言い張る子どももいます。
保育者は無理やり寝かすのではなく、昼食→トイレ→着替え→布団に入るという午睡までの生活リズムを、毎日繰り返し取り組んでいきましょう。
午睡までの行動を習慣づけることで、子どもも見通しが立ち、スムーズに午睡に入っていけるようになります。
子どもたちが騒いでいて、寝てくれないという悩み
布団の配置を工夫したり、時間差で寝かしつけていきましょう。
1歳の後半以降になると、体力がついてきて、自己主張も始まるので、これまでのようにスムーズに布団に入れなくなる子どももいます。
睡眠のリズムに個人差や年齢差が表れると、保育者が一斉にクラスの子どもを寝かしつけることが難しくなるので、昼食を食べ終えた子どもから順に、トイレ→着替え→布団に入るを時間差で行い、対応するとよいでしょう。
「寝ない」「寝たくない」という子どもには、布団に入って静かにしているように話し、少し離れてようすを見守りましょう。よく騒ぐ子どもは、保育者の近くに布団をもってくるということもいいでしょう。
保護者からの依頼で、午睡の時間は個別に対応するの?という悩み
子どもの家庭での睡眠リズムは、子どもによって異なりますね。
そして、夜によい睡眠リズムをつくるために、午睡は重要なポイントとなります。保護者によっては、園の午睡の時間を調整することで、夜の睡眠リズムをつくりたいと考える人もいるでしょう。
このような保護者には、まず午睡が午前中十分に体を動かして遊んだ子どもの体力回復に必要なことを保護者に伝え、園では静かな環境できちんと午睡ができるように、決まった時間まですべての子どもを起こさないようにしていることを話します。
また、子どもが夜に寝るのが遅くなるのは、保護者の生活に合わせて遅くまで起きているなど、早寝早起きの生活リズムができていないことが原因として考えられる場合もあります。
家庭でも、できるだけ早寝早起きの習慣をつけてもらえるよう、お願いをしていきましょう。
午睡時のポイントとは
子どもにとって睡眠はとても大切なものですね。
ぐっすり眠れるようなリズムを整えましょう。保育者ができるスムーズな入眠を促す方法や起こし方、午睡時のポイントなどを考えていきましょう。
1歳ごろから、まとまった時間眠れるようになります。
0歳児のことは、「遊んでは寝る」「食べたら寝る」とこまぎれに睡眠をとっていた子どもも、1歳~1歳6か月くらいには、だんだんとまとめて2時間くらい眠れるようになります。
睡眠は、体の疲労を回復するほか、脳神経系の育ちに影響を及ぼす大切なものです。
また、休息する時間をつくり、静と動のバランスを整えるためにも必要です。ただ、子どもの体力には個人差があるので、午睡だけと決めるのではなく、午前中に眠たくなった子は30分ほど寝かせてもよいでしょう。
子ども一人ひとりのようすや育ちに応じて対応することが大切です。
家庭でのようすも把握したうえで、午睡リズムを調整します
1~2歳児はまだ体力がないため、午睡をしないと夕方に眠くなり寝てしまい、夜寝る時間が遅くなってしまうなど、生活リズムが乱れてしまいます。
また、夜遅く寝て、登園時間ギリギリまで起きない子どもは、午前中ぼーっとして活動がにぶくなることもあります。
午睡のリズムは、園だけではんかう家庭の環境も影響するので、保育者はふだんから、子どもが何時ごろに寝て、何時ごろ起きるのか、保護者に家庭のようすを聞いたり、夜寝るのが遅いようなら、園での午睡時間を短くすることを提案するなど、保護者とよく話し合って、生活全体を見ながら、午睡のリズムを整えられるとよいですね。
なかなか寝付かない子も、無理に寝かせるほうがよい?
むりやり寝かしつけるのではなく、寝つけない原因を考えて対処しましょう。
その日の園でのようすを振り返り、遊びが足りなかった、登園が遅かったなど、いつもと違う生活リズムではなかったか確認します。
また、子どもが保育者にスキンシップを求めて寝ないケースもあるので、優しく布団をトントンと叩きながら話を聞いたりして、静かに寝かせましょう。
「寝ない子=規則を守れない子」ではなく、なぜ眠れないのかを知ることが大切です。
ふだんよりも眠そうで、みんなが目覚めたのに寝ています
体長が悪くない限りは、みんなといっしょに起こしてよいでしょう。
食欲があったか、活動中に疲れたようすがなかったか、鼻水や咳は出ていないか、延長保育が続いていないかなど、園生活全体を振り返って判断しましょう。
また、夏場は水遊びをして疲労がたまりやすいこと、休日明けの登園では、前日家庭で昼寝をしなかったことなどの原因が考えられます。
休日明けは、前日のようすを保護者から聞いておくとよいですね。
また、睡眠時間には個人差があるので、ふだんから睡眠時間が長い子は、早めに寝させるように準備するなどのくふうも大切です。
いつも寝起きの悪い子の起こし方はどうする?
午睡時間が終わっても、なかなか起きず、目が覚めてもすぐに公道できないという子どももいます。
保育者は、午睡の時間が終わったことを知らせるために、カーテンを開けたりして日光を部屋に居れたり、足元の布団をめくったりして、子どもを目覚めさせましょう。
そして、目を開けたからといってすぐに着替えを促すのではなく、ごろごろと寝転がったり座ってぼんやりしたりするなどまどろむ時間をつくってあげると、子どもは気持ちよく目覚め、次の行動へと切り替えられるようになります。
早く目が覚めてしまった子には、どう対応すればよい?
月齢が低い子や、子どもがまだぼんやりとしている状態の場合は、優しくトントンと布団をたたくことで、再び眠れる場合もあります。
シャキッと目覚めてしまい、再睡眠できない場合は、無理に横にさせるのではなく、別室で絵本を読んだり、音のしないおもちゃで遊ばせたりしましょう。
1~2歳児にとって、静かにじっとしていることは難しいので、寝ている子と同室のままにしておくのは避けましょう。
午前寝をしている子どもは、成長とともに徐々に午睡だけに移行することで、午睡時間が長くなります。