保育園で手作りのお店屋さんごっこをしよう

お店を決める

お店屋さんのイメージがふくらんできたら、実際にどんなお店をやりたいか、子どもと話し合いましょう。

お店屋さんごっこに興味をもった子どもたちからは、いろいろなアイデアが出て盛り上がり、お店を決める過程を楽しめます。

男女で好みが分かれ、クラス単位ではうまく話がまとまらないこともあります。

その場合は、クラスの枠を取り払って、学年全体でいくつかのお店屋さんをつくり、好きなお店に参加してもよいでしょう。

保育者は、子どものアイデアはどんなものでも否定せず、「いいね」「楽しそうだね」と興味を示し、できるだけ取り入れる姿勢が大切です。

自分の意見が取り入れられ、認められることで子どもは自信をつけていきます。

ただ、子どものアイデアをそのまま制作につなげるのが難しいときは、実際に子どもたちが制作できそうなものになるようにさりげなく軌道修正することも必要です。

例えば、「金魚屋さん」で本物の金魚を売りたいといった子どもに、「生きている金魚は連れてこられないよね。泳いでいるようにみえる金魚を作るのはどう?」などと提案しましょう。

その際、子どもたちが制作を行うこともお店屋さんごっこのねらいのひとつなので、どのお店も制作につなげることを考えてことばかけをすることがポイントです。

それぞれの子どもが口々に意見やアイデアを言い、収集がつかないこともあるでしょう。

そのようなときは、ふだんから友だちの話しを聞けるようなことばかけをしましょう。

ざわざわと騒がしい状態で話し合いをしても、子どもたちは自分の思いを伝えるのに夢中で、ほかの子の話しは聞けないものです。

ふだんから「ちょっと聞いて。○○ちゃんが話すよ」など、友だちの話しに耳を傾けるようなことばかけをすることが大切です。

子どもは、保育者よりも友だちの意見により触発されるものです。

子ども同士のやり取りで、さらによいアイデアがうまれたりもします。

子どもや保育者の人数によって、お店の数を調整しましょう

どんなお店にするかにあたり、子どもたちのアイデアや思いを尊重することは大切ですが、小さなお店が乱立すると、みんなで協力するというお店屋さんのねらいが薄れることにもなりかねません。

子どもたちから「バット屋さん」「マフラー屋さん」「キーホルダー屋さん」など、たくさんの候補が挙がった場合は、一つひとつの独立したお店にするより、まとめて「おもちゃ屋さん」にするなど、お店の数を増やしすぎないこともポイントです。

保育者一人で2つくらいのお店をみられるようにすると、ちょうどよいでしょう。

お店が決まったら、だれがどのお店を担当するかを決めていきます。

「お花屋さんをやりたい人はいる?」と子どもたちに選ばせ、人数が偏ったときには、「あっちのお店、人が少ないみたい」「人数が少ないとお店ができないね」などと、別のお店にも目を向けさせることばをかけるとよいでしょう。

子どもがそれぞれ自分のやりたいお店を担当できるように配慮することで、子どもたちに意欲がわき、楽しみながら活動することができます。

売る品物を制作する

お店を決めて、子どもたちが担当するお店も決まったら、品物の制作に取り掛かりましょう。

これまでにもお店屋さんごっこを体験している年長児は、やりたい気持ちも高まっているので、どんどん制作のアイデアを出して、子ども同士協力しあって制作に取り組むことができます。

そんなときは、できるだけ子どもたちに任せて、保育者は必要に応じてことばをかけたり、制作のサポートをしたりする程度にとどめましょう。

3歳児~4歳児は、保育者「こうしてみるのはどう?」と具体的なことばをかけ、ベースは保育者が考えて材料を準備し、子どもは切るだけにするなど、すべてを子どもたちが作らなくても、一部分でも制作に参加することで、自分でやったという達成感が残るように配慮しましょう。

また、例えば、「おもちゃ屋さん」で、人形やお姫さま変身アイテム(カチューシャ、ドレスなど)どちらかというと女の子向けの品物が多くなったときに、保育者は「男の子が欲しがるものが少ないんじゃない?」と声をかけてみるのもよいでしょう。

一つひとつの品物を大切に、すべて売り切るくらいの数だけ作る

「おもちゃ屋さん」のように品物をたくさん制作するお店や、「手品屋さん」のようにどんな手品をするかの話し合いにたくさんの時間を使って、制作は最後にするお店など、担当するお店によって制作の時間の使い方は異なります。

また、品物はすべて売り切れるよう、作りすぎないことも大切です。

売り切ることで子どもは達成感を味わえるので、制作期間中、保育者どうしで情報交換をし、数の調整をすることも必要です。作りすぎのときは、制作にストップをかけるのではなく、ほかの品物やお店の看板、ディスプレー用の棚などをつくってもらい、子どもたちの「作りたい」という気持ちが完全燃焼できるような配慮をしましょう。

例えば、「服屋さん」で、服をたくさん作ってしまった場合に、服を着せる人形をつくり、マネキンをイメージしても面白いですね。

保育者がどの程度、手伝ったよいかということも悩むかもしれませんね。できるだけ子どもたちに作らせるようにしたいといっても、売るものだからきちんと作らないといけないと考えてしまうこともあるでしょう。

子どもたちだけでは難しい作業はもちろん手伝いますが、できるだけ子どもたちのオリジナリティを尊重して任せてみましょう。

品物のできばえよりも、子どもたちが各自、売れるようにするために工夫した点などを認めてほめることで、意欲と自主性が育まれていきます。

また、制作の初日は集中していた子どもも、だんだんと制作に飽きてしまうこともありますね。

そのようなときは、作るものや素材を変えて、子どもが飽きないような工夫をしてみましょう。

1回の制作期間で完成できるようなものを考え、毎回違うものを作ったり、前回は使わなかった新しい素材で作ったりすると、制作に興味がわいてきます。

どんどん作ることができる子どもには、「たくさん作ったら、お客さんがたくさん来るね」などとことばをかけると、より意欲がわいてきます。

また、制作が苦手な子どもには、「ひとつでもだいじょうぶだよ」と無理のないように配慮しましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
3歳児 4歳児 5歳児
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび