子どもの「みて、みて」を見逃さないように
子どもはよく「これ、みて」「先生、みて」と目を輝かせながら話しかけてきますね。
これは何かを発見したり、何かに成功したりして、その喜びや感動を、大好きな保育者にも伝えたいという子どもの気持ちの表れです。
こんなときは、忙しい手を少しの間だけでも休めて、子どもの話しを聞いてみましょう。
子どもの感動に向き合って、共感することが大切です。
伝えたい気持ちを受け止めてもらえないと、子どもは「これができても、すごいことじゃないんだ」という気持ちになってしまい、やる気をなくしてしまいます。
つい忙しいからといって「あとでね見に行くね」などと言ってしまうこともありますが、子どもの気持ちが高まっているときに、保育者が寄り添うことが大切です。
また、自分から「みて」といえない子どもの褒めどころは見逃しやすいので、日ごろからその子の頑張りや成長をよくみて、ここぞというときに声をかけられるとよいですね。
子どもの「みて、みて」や「きいて、きいて」には、大げさなくらいの表現で驚いたり、褒めたりするとよいでしょう。
失敗してもいいのだと、子どもが思える関わりを
好奇心旺盛な幼児期の子どもには、自然と「自分でやってみたい」という気持ちがわきあがってくるものですが、その気持ちが満たされる経験、挑戦したいことを実際にやってみて、「うまくできた」という成功体験がないと、次第に「やってもどうせできない」と思うようになり、「やりたい」「やってみたい」と思わなくなってしまいます。
なので、失敗したときや、うまくいかなかったときは、保育者が明るく声をかけ、気持ちが沈んで、後ろ向きになっている子どもを励ますことが大切です。
失敗を恐れて挑戦することをあきらめてしまう子にならないように、日ごろから「失敗してもいいんだ」「失敗したら、次にがんばろう」という気持ちを子どもが持てるような関わりができるとよいですね。
失敗は成功のもとであるという言葉を、日ごろからよく使い、クラスのスローガンのように、子どもの耳にいれておくとよいですね。
また、失敗は悪いことではなく、挑戦することが大切であるとということも、子どもの耳に入れておくとよいでしょう。
個性と育ちに寄り添い、子どもの「やる気」を育む
好奇心がいっぱいの子どもたち。個性と年齢に応じて、あきることなく体ごと素材(画用紙や絵の具など、造形遊びに使用する材料)を試してみたくなるという気持ちにあふれています。
保育者から見ると、危ない場面もあるかもしれませんが、「危ないから」ととめるばかりではなく、素材や用具との出会いのチャンスをつくっていけたらよいですね。
特に5歳になると、使いたい素材や用具が多くなり、新しいものにどんどんチャレンジしていきたい時期になります。
そんな子どもたちの思いを大切にしていきたいですね。
この時期に、素材や用具をしまっておける棚を用意して、整理整頓をして片付けるということも子どもが学んでいけるとよいでしょう。
3歳や4歳だと、子どもが素材や用具にまだ慣れていないので、子どもたちが使いやすいように棚のラベルを工夫したり、素材に手を加えておくということも効果的ですね。
子どもたちが自分から、素材で遊んで、片付けられるような環境づくりをしていく中で、毎日の保育や教育の環境も整っていきます。