保護者便りのレイアウトや文例のポイント、ねらいとは

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保護者便りのレイアウトや文例のポイントとは

園だよりや、クラスだよりなど、「おたより」は、園や保育者と保護者とをつなぐ大切な架け橋ですね。わかりやすく、毎号みてもらえるようなおたよりを作るヒントをご紹介します。

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伝わる、読みたくなる、信頼が生まれるおたよりを作ろう

おたよりには、「園だより」と「クラスだより」がありますが、それぞれ少しずつ性質が違いますね。園だよりは、おもに健康診断や遠足など園全体で行われる行事のお知らせや、保護者全体に関わる手続きやルールをお知らせするもの。一方、クラスだよりは、子どもたちの成長のようすが保護者に伝わるように、日常のエピソードを具体的に取り上げるものです。クラスの子どもがよくやっている遊びや、クラス全体で取り組んでいること、クラス独自のお知らせやお願いが内容になってきますが、どちらも書くうえで心得ておきたいポイントは同じです。

●園での子どもたちのようすや連絡事項がわかりやすく伝わること
●レイアウトや記事の内容を工夫し、保護者が読みたくなるおたよりであること
●園や保育者と保護者との信頼がうまれる記事やことばづかいであること

おたよりを書くうえでの、心構えの基本

保護者と子育てを共有する気持ちで

保育者はいつも保護者とともに子どもの成長を見守っていることを、さりげなく言葉にして伝えましょう。保護者は安心して大切な子どもを園に預けることができます。

子どもの姿を伝える

子どもたちのようすを記事にするとき、できごとだけでなく、子どもがどう成長したのか、保育者はどう感じたのかまでつけ加えると、保護者との信頼関係がより強くなるでしょう。

おたより作りの5つのステップ

1 書くことを決める

おたよりに盛り込む記事の内容と数を決めます。

2 全体のレイアウトを決める

1で決めた内容を次の順に配置していきます。鉛筆でうすく印をつけておくとよいでしょう。

3 文章を書く

実際に文章を書きこむ前に、下書きをして何度か読み直すと安心です。

4 絵を入れる

イラストを入れると「読みたい」と思える楽しいおたよりに仕上がります。

5 (余裕があれば)おもしろい企画にチャレンジ

独自のおもしろい企画記事を加えれば、保護者も読みたくなります。

おたよりのヒントとは

おたよりは、園や保育者と保護者をつなぐ、大切なツールですが、それゆえ、どのような内容にしようか、悩んでしまうことも多いですよね。

ここでは、何を書いたらよいのか、ということに対するヒントをご紹介したいと思います。

内容として、連絡事項はすぐに思いつくけれど、その他は思いつかないということもあるでしょう。そんなときは、子どもたちの園でのようすを紹介するようにしてみてはどうでしょうか。

子どもたちの中で流行っている遊び、食事時間のできごと、ケンカなどのちょっとした事件を記事にしてみましょう。子どもたちが園ですごす姿をイメージできると、保護者も安心できます。そのために、普段からメモ帳を持ち歩き、子どもたちのようすを観察して、おもしろいことや感動したことなどをメモにしておくとよいでしょう。

ものを書くことは、ものをよくみるということでもあります。子どもたちのようすをメモする習慣をつけることは、子どもたちをよく観察することになり、保育者としての成長にもつながります。

メモをとるコツとは?

日付と感想を添える

メモがたまったとき、日付が書かれていると便利です。また、その時々に感じたことを加えておくことで、保育者自身の保育観をみつめるきっかけにもなります。

 

観察ポイントを決める

ユニークな会話、流行している遊びなど観察ポイントを決めておくことで、その場でメモできなくても、あとで思い出しやすくなります。慣れるまでは、テーマを決めて集中的に観察するのもよいでしょう。例えば、お絵かきの時間に、子どもの感受性を観察したり、子どものユニークな発言を観察したりしてみるとよいでしょう。

読みやすいお便りをつくるポイントとは

おたよりは、園や保育者と保護者をつなぐ、大切なツールですが、それゆえ、どのような内容にしようか、悩んでしまうことも多いですよね。

読みづらいと言われてしまった場合にどうしたらよいか、ということに対するヒントをご紹介したいと思います。

おたよりをつくっていると、なかなかどのようにみられているかということは自分では判断できないものですね。そんなときに「読みにくい」と言われてしまうと、やはり気持ちはヘコんでしまうもの。しかし、気持ちを切り替えて、どのようにしたらよいか、考えていきましょう。

文章やイラストをかく前に、まずレイアウトを考えてみましょう

おたよりのなかに、文字やイラストがぎっしりつまっていたり、どこに何が書いてあるのか、一目で見当がつかないと、読みづらく思われてしまいます。スッキリとメリハリのあるレイアウトを心がけるだけで、ぐんと見やすくなります。保護者もきっと「読んでみよう」という気持ちになりますよ。

読みやすいレイアウトのコツとしては、

目線の流れを考えて、記事の配置を決める。

読む人は、まずおたよりのタイトルと導入のあいさつ文、そして目玉記事へと読み進めていきます。その目線の流れに沿うように記事を配置してみましょう。

文字の大きさや文章量を考える。

読みやすい文字の大きさを決め(12ポイントにするとよいでしょう)、それでスペースが埋められるくらいの文字量におさめましょう。1行を20文字くらいにすると読みやすくなります。長くなりそうなら分をわけたり、段落で区切るといった工夫をしましょう。また、手書きの場合はできるだけ読みやすい、丁寧な文字で書きましょう。

記事1つひとつに見出しを決める。

記事内容が一目でわかるような見出しを立てましょう。本文に埋もれないように大きく濃く目立たせたり、「今月の努力賞」のような一言を見出しにしてもよいでしょう。

記事を枠で囲ったり、記事と記事の間をあけたりして、一つひとつを独立させる。

お知らせや連絡事項、連載記事など定番のコラムは、囲みやデザインをそろえたり、場所を毎号ほぼ決まった位置にしたりするとわかりやすいでしょう。

イラストは数をしぼり、ポイント的に入れる。

楽しくしようと小さいイラストをたくさん詰め込むと、かえって見づらくなりがちです。数をしぼり、内容に合ったイラストをスポット的に入れましょう。

文章を書くことが苦手な人に

文章を書くことが苦手でも、仕事だからやらなくてはいけない、ツライという保育者は多いですね。ツラクても、無理をしない範囲で、書けるところから書いてみましょう。これまでに園から発行された、おたよりを参考に真似できるところは真似するというのもひとつのテです。

実際におこったできごとは、比較的らくに書くことができるものですが、それ以上のことが書けなくて、苦手と感じる人が多いようです。

ここでは、文章を書くことが苦手でどうしたらよいか、ということに対するヒントをご紹介したいと思います。

書くおたよりの内容レベルを、3段階に分けて書いてみましょう。ステップ1ができるようになったら、次はステップ2、それからステップ3と少しずつ進んでいけばよいのです。

大切なのは、おたよりを通して、保育者が子どもの姿をよくみているということが保護者に伝わること。子どもの成長を追ううちに、保育者自身も大きく成長していることでしょう。

おたより作り上達への3ステップ

ステップ1 子どもの姿を伝える

ふだんの遊びのようすなどをありのまま伝える文章。子どもがどんな表情だったのかも書くと、文章に奥行きがでます。

ステップ2 保育者が感じたことを加える

子どもの成長に、保育者が感動したこと、驚いたことなどの感想を加えた文章にしましょう。そのエピソードの何がポイントなのかを具体的に示せるので、保護者の理解が深まります。

ステップ3 保育観、教育観を交えた文章にする

園生活の中で、発見した子どもの成長、また、これからどのように成長していくのか、という保育者の視点での保育観、教育観を伝えます。保護者と同じ気持ちで「見守っている」ということも伝えられるとよいですね。

おまけ お知らせを書くときは

持ち物の支持や行事の予定などは、簡潔にわかりやすく書くことが基本です。ただし、事務的なことばづかいや命令口調にならないように注意しましょう。「お願いします」という姿勢で書きましょう。

絵が苦手な人に

絵や飾り枠がうまく描けない、ということに対するヒントをご紹介したいと思います。

絵が描くのが苦手という人は、まず周りにあるものを活用してみるとよいでしょう。

市販されているイラストカット集やテンプレートを活用してみましょう。これまでに園で発行されたものにのっているイラストを切って貼るというのも有効ですね、また、クレヨンや筆などで線を引くだけでも、素朴で味のある枠をつくることができます。

プロ並みの立派なイラストである必要はありません。保護者に読んでもらえるおたよりの基本は、すっきりみやすいレイアウトなので、ちょっとひと工夫して楽しい雰囲気が出せるとよいですね。

絵や飾り枠に活用してみよう

イラストカット集

イラストカット集には、保育園や幼稚園向けに季節の行事などを盛り込んだものが多くあり、1冊手元に置いておくお、1年を通して活用できます。

テンプレート

テンプレートとは、定規のようなプラスチック板に丸や四角などさまざまな形や大きさの穴があいたものです。動物やハート、星、吹き出しなどもあります。

クレヨン、筆

記事を囲む枠に味わいをもたせるだけでも、柔らかい雰囲気を出すことができます。クレヨンや筆、芯が太い鉛筆などを利用して、フリーハンドで線や枠を書いてみましょう。

スタンプ

既製品のスタンプのほか、ふだんの活動で作成した、手づくりスタンプもおすすめです。レンコンの断面や段ボールを丸めた断面、ブロックなどが使えそうですね。それらを縮小コピーして貼り付けたり、並べて仕切りや囲みの線にするのもよいでしょう。

子どもが描いた絵

子どもが描いた絵をコピーして貼り付けると、かわいらしいおたよりができます。終わったばかりの行事の思い出を描いてもらってエピソード記事にあしらったり、毎号違う子どもの絵を使って、1年でクラス全員の子どもの絵を紹介するのも、ひとつの方法です。

毎年同じ内容になりがちなおたよりに変化をつけるには?

 

おたよりがいつも同じ感じ、おたよりに変化をつけたいということに対するヒントをご紹介したいと思います。

行事予定と連絡事項、子どもたちのようすを伝えるエピソード記事・・・。こういうシンプルなおたよりを続けていると、読む人も、作っている保育者も飽きてしまうかもしれません。読んで楽しいおたよりを作るコツは、作り手である保育者自身が楽しんで作ること。どのような企画を取り上げるかで、保育者の個性も表れます。

子どもたちのおもしろい会話、取り組んでいる歌や読んでいる絵本、子どもがつくったカルタなどを紹介するのもよいでしょう。また、子育てにつながるような、保育者のお気に入りの本や歌などを紹介するのも保護者との信頼関係を築いたり、コミュニケーションを深めたりするきっかけになるでしょう。

●生き物当番や給食当番などの当番の仕事をしているときの、ちょっとしたエピソードを入れてみましょう。ほほえましいこと、成長を感じられることを取り上げてみます。
●子どもたちが大好きな絵本を紹介してみましょう。作者や簡単なあらすじに加えて、子どもたちがその絵本をどのようにみているのか、どう反応するのかを交えて記事にできるとよいですね。
●園で取り組んでいる手遊び歌を、家庭でもできるように紹介してみましょう。歌詞に合わせて手の動きをイラストで紹介します。保護者と子どものコミュニケーションのきっかけにもなります。
●子どもたちへのインタビュー結果を紹介します。質問内容は簡単で、ユニークなものができるでしょう。
●クラスで流行っている遊びを紹介してみましょう。エピソードに加えて、保育者の保育観や教育観を交えて、子どもの成長について触れられるとよいですね。
●子どもの育ちや成長が感じられることを取り上げて、そのときの子どものようす、どう解決したのか、どう成長したのかなどを伝えます。

 

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保護者支援
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび