発達障害|こだわりが強い子の対応と理解

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【発達障害】こだわりが強い子の対応と理解

発達障害のある子どもは、その子独自の強い「こだわり」を持っていることがあります。しかし、それは周囲からはなかなか理解されないものです。発達障害のある子にとっての「こだわり」とは、何なのでしょうか?その理解と対応につて考えていきます。なお、このサイトでは、発達障害のある子どもとは、知的障害がなく、肢体不自由ではない発達障害の子どものことをいいます。

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なぜ強いこだわりがあるの?

好きなものが極端に偏っていて、ずっと同じ遊びをしている、同じ服しか着ない、登園したらすぐに手を洗わないと気が済まないなど、発達障害のある子には、その子独自の強いこだわりがあることが多く見られます。また、音や光、触感など、特定の刺激に対する感度が高いため、一般の人には何でもない刺激を「うるさい」「まぶしい」「気持ち悪い」などと、苦痛に感じることがあります。食べられるものが極端に少ないなど、食べものに対するこだわりが強い場合もありますが、これも感覚の過敏性のために食感を不快に感じ、口に入れられないためだと言われています。

発達障害のない子どもや大人でも、ちょっとしたこだわりを持っている人はいますし、それは特別なことではありません。しかし、発達障害のある子どものこだわりは、その執着の度合いが極端に強いため、ときとしてそれは周囲からは理解しにくい行動にみえることもあります。特に園のような集団生活の場では、あまりに強いこだわりは、一斉活動の流れを乱す原因になることもあります。「変わった子ども」「融通の利かない子ども」という誤解につながらないためにも、周囲が、発達の特性としてのこだわりという理解をもって対応することが大切です。

こだわりは、不安から逃れるための精神安定剤的なものでもある

発達障害のある子どもに、強いこだわりがみられるのは、見通しをつけることが苦手なために生ずる不安感が一因になっているといわれています。例えば、登園の道順を変えるといやがるのは、いつもの道が好きだからというより、知らない道を通るのが不安だから、ということも考えられます。初めてのことに対する不安感を避けるため、行動がパターン化(習慣化)しやすいのです。そういう意味で、こだわりはその子にとっての精神安定剤的なものということもできるでしょう。

その子のこだわりを認めることから始めましょう

こだわりにもいろいろなタイプがありますが、どんなこだわりでも否定的にとらえず、まずはその子なりのこだわり理由があるという理解をもって接することが大切です。ミニカーを整然と並べて遊ぶことにこだわる子がいれば、保育者も子ども同じ目線で遊びに加わり、その子のこだわりの世界を共有してみることから始めてみましょう。

活動の区切りを学ばせるという意味では、むりやりも必要

こだわりは、不安を軽減させる精神安定剤的なもので、無理にやめさせることはかわいそうと思いがちですし、無理にやめさせることは禁物であるという考え方もあるでしょう。しかし、ときと場合によっては、無理にやめさせることも保育の現場ではあると思います。始めは無理にやめさせられてパニックになっていた子どもも、止めさせられる経験を重ねることで、止められるようになることも多々あります。ただ、自由時間などの遊びのなかでのこだわりは、そう気にしなくてもよいでしょう。例えば、自由時間にミニカーを整然と遊ぶことにこだわる子どもを無理やり他の遊びに誘う必要はありません。できる範囲で少しずつ取り組んで、ミニカー以外の遊びへ誘ってあげるとよいでしょう。しかし、遊ぶことにこだわって次の活動にいけない子どもは、無理やりにでも遊ぶことを止めさせて、区切りを学ばせるということも、ときとしては大切なことです。

◎スモールステップの積み重ね

やりたくないことや苦手なことは、子どものようすを見ながら、時間をかけて少しずつ慣れさせていくつもりで対応しましょう。製作のときに、のりが触れない子なら、まずは「先生がこんなふうにやってみるよ」などと声掛けをしてから、目の前で見せて、興味をもったら指先でちょんとつつくことからチャレンジしてみましょう。できたら、たくさん褒めてあげましょう。その子のペースで進めるゆとりを持つことが大切です。

こだわりの元になっている不安の材料を探ってみる

教室に入ったら、部屋をひとまわりしないと気がすまない、開いている窓や戸を全部しめて歩くというのも、周囲からは行動の意味がわかりにくい、こだわりの行動です。行動の原因が不安感によるものならば、まずは不安材料を探り、その子の不安な気持ちに共感します。そして、「大丈夫だよ」と共感的なことばをかけながら、「次は~しよう」と別の行動に促しましょう。別の行動を促し続け、こだわりが薄くなってきたところで、部屋をひとまわりする前や、開いている窓や戸を閉め始める前に、別の行動に促したり、ときとしては事前に止めさせるという対応をとってもよいでしょう。行動を切り替えるきっかけは、子ども自身ではなかなかみつけられないことが多いので、大人が主導していくつもりで取り組みましょう。

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ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
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