児童福祉施設に規定されている児童養護施設
児童養護施設は、何らかの理由で親との生活が困難になった2歳から18歳までの児童が入所している施設です。
入所は18歳までとの定めがありますが、特に必要であると認められる場合は20歳まで入所することができます。
児童養護施設の入所利理由は、虐待によるもの(酷使、放任、怠惰、棄児、養育拒否)が多く、その次は親の精神疾患です。
家庭生活を続けることができない子どもが多く、その中には発達障害の子どもも近年増加傾向にあります。
子どもにとって、家庭は安心して家族と生活するところであるはずですが、それができない子どもたちのための施設が児童養護施設であるといえるでしょう。
身体や心の成長において、満たされない愛情と生きることへの不安が施設での生活で見え隠れすることもあります。
心穏やかに施設で生活することができるよう、保育者は子どもが他人を信頼するきっかけをつくることが重要な取り組みになります。
児童養護施設の役割とは
児童養護施設の役割は、大きく4つあり、1つめは子どもの命を守り、育てることです。
児童養護施設の養育機能
児童養護施設では、家庭的な養育環境を整えていくことが重要なことです。
児童養護施設は2歳ごろまでの子どもの養育が中心で、この時期の子どもはまだ心身ともに十分な発達していないこと、また、発達の状況が一人ひとりにより異なるため状況に合わせた養育が求められます。
基本的な養育に加え、虐待を受けた子どもや障害のある子どもなどに対応できる専門的な養育の機能も備えています。
児童養護施設の保護者支援
2つ目の役割は、保護者支援です。
入所している乳幼児が退所して、家庭に戻っていく際の課程の再構築に向けて家庭で子育てができるようにする支援と、子どもと保護者の安定した関係を築く支援を行っています。
具体的には、保護者からの相談に応じ、抱えている子育ての困難さなどを受け止め、解決方法を一緒に考えたり、他の機関と協力して具体的な方法や資源を提供したりするなど、子どもの早期家庭復帰に向けて取り組んでいます。
児童養護施設の地域の子育て支援
3つめは地域の子育て支援の役割があります。
地域の子育て支援を対象として、子育て相談や地域交流などを行っています。
保護者がさまざまな社会的な理由(病気、出産、看護、災害、冠婚葬祭、失踪、転勤、出張及び学校など公的行事への参加)により子どもを養育できなくなったときに、一時的に子どもを預かる子育て短期支援事業を行っています。
この子育て短期支援事業は、ショートステイやトワイライトステイと呼ばれていることもあります。
子育て短期支援事業は、児童相談所の措置ではなく、市区町村の役場が相談の窓口になっていることが多いようです。
児童養護施設の里親支援
4つめは里親を支援する役割です。
里親と子どもをつなぐマッチングの支援や里親に対する相談支援を行っています。