授乳の環境設定や姿勢、コツをつかむヒント
授乳は、赤ちゃんにとっては大切な食事の時間であるとともに、心安らぐスキンシップの時間です。
ゆったりと声をかけながら、ミルクを飲ませてあげましょう。
環境設定
赤ちゃんがリラックスし、集中してミルクを飲めるように、授乳専用のスペースを設けて、常に清潔に保ちましょう。
ミルクを飲んでいるうちに汗びっしょりになることもあるので、暑い時期は風通しのよい場所で飲ませましょう。
授乳の仕方
保育者は手を洗い、赤ちゃんには、ミルクをこぼしても汚れないように、胸元にガーゼなどを当てておきます。
赤ちゃんのおしりを腿の上に乗せ、片方の腕で赤ちゃんの首を支えて安定した横抱きにして、ミルクを飲ませましょう。
また、赤ちゃんを支える肩や腕の負担を軽くできる、授乳クッションを使用してもよいでしょう。
頭が下がると飲みにくいので、上体を起こしぎみに抱っこするのがポイントです。
また、ミルクがこぼれたり、赤ちゃんがむせたりすることもあります。
空気が入らないように見ているためにも、保育者は授乳に集中することが大切です。
赤ちゃんは適量のミルクを飲むのに10分~15分くらいかかります。
早く飲み終えたり、時間がかかりすぎたりするようなら、乳首の穴のサイズやふたの締め具合を調整してあげましょう。
ミルクを飲まない、飲みたがらない子どもにはどうしたらよい?
これまで母乳だけで育った赤ちゃんは、哺乳びんや乳首を嫌がってミルクを飲まないことがあります。
おなかがすいているときに飲ませると、赤ちゃんも少しずつ慣れてくるでしょう。
あるいは、乳首やミルクのメーカーを変えてみることもよいかもしれません。
どうしても哺乳びんを嫌がるようなら、スプーンでミルクを与えてもよいかもしれません。
ミルクを吐いてしまった場合、どうしたらよい?
赤ちゃんは胃袋が縦長なので、よく吐きます。
吐いたあとで、機嫌がよければあまり問題はありません。
しかし、機嫌が悪かったり、いつもとようすが違う場合は、静かにすごさせて体調をよく観察しましょう。
授乳のタイミングはどうしたらよい?
授乳のリズムは、赤ちゃんの生活リズムをつくります。
基本的には、赤ちゃんの欲しがるときに飲ませましょう。
2か月くらいの赤ちゃんは「遊び飲み」といって、目や耳から入ってくる刺激に意識がいってしまい、ミルクがおろそかになることがあります。
ほっぺたをやさしくつついて、ミルクに意識を向けさせましょう。
3か月くらいからは、「ながら飲み」といって、何かに気をとられながらもミルクをしっかり飲むようになります。
5~6か月ごろには、ミルクを飲む間隔や量も安定してきます。離乳食のあとは、ミルクを飲みたいだけ与えましょう。
授乳後のケアはどうしたらよい?
飲んだ後は、しっかりとゲップを出させてあげましょう。
ゲップを出しやすいように縦抱きにして、背中をやさしく下から上に撫で上げるイメージでとんとんとたたきましょう。
ゲップをさせる前に眠ってしまった場合でも、同様にします。
しばらくしてもゲップがでないときは、万が一ミルクを吐いても気管に入らないように、顔を横向きにして寝かせましょう。
授乳中に汗をびっしょりかいたら、着替えさせてあげるとよいでしょう。
保護者への連絡はどうしたらよい?
ミルクの量や飲んだ時間などは、保護者が気になることですね。
これらは記録して、きちんと保護者に伝えましょう。
ミルクを飲めているのか、気にかける保護者は多いです。
飲み方には波があって、身長と体重の成長曲線が順調で機嫌がよいなら、問題はないことを伝え、安心させます。
ミルクアレルギーのある赤ちゃんは、どうしたらよい?
ミルクアレルギーがある場合は、保護者とよく相談をして、赤ちゃんの体質にあったミルクにします。
アレルギー用のミルクを使うときは、担当者を決めて管理をしましょう。
毎日の赤ちゃんの体調について情報交換をすることが大切です。