保育士のパワハラも?職場のいじめで退職を考えたときは

hoikunabi

保育士がいじめ、パワハラ、モラハラに悩んだときの対策や事例とは?

職場のいじめ・嫌がらせ(パワーハラスメント)は、近年社会問題として顕在化しており、都道府県労働局に寄せられる「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は、すべての相談の中で最も多くなっています。

このような状況のなか、官民問わず多くの組織において、労働者への職場環境配慮義務や使用者責任の観点から、パワーハラスメント対策は人事・労務管理上の課題であると位置づけられ、予防・解決に向けた各種取組みが進められています。

もしも職場でパワーハラスメント問題が発生すれば、当事者間にとどまらず、職場や組織全体に影響を及ぼすことにもなります。それは、子どもや保護者にも影響を及ぼすことにつながりかねません。

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パワーハラスメントが及ぼす影響

受けた人

人格や尊厳を傷つけられ、勤労意欲を失い、適切な能力の発揮ができなくなります。心身の不調を引き起こし、休職や退職に追い込まれることもあります。

職場

当事者間の人間関係の悪化により、職場のチームワークがとりづらくなります。周囲の職員がパワーハラスメントを見聞きすることで、仕事への意欲が低下し、職場全体の業務能率に悪影響を及ぼします。職場のチームワークが悪くなると、子どもや保護者がそれに気づき、雰囲気が悪くなることも考えられます。

組織全体

業務能率の低下や、貴重な人材の損失につながり、組織運営に支障をきたす恐れがあります。また、訴訟で使用者責任などが問われる可能性もあります。

パワーハラスメントの対策

パワーハラスメント対策というと、「部下への指導がしづらくなる」「なんでもパワハラだと言われてしまうのでは」と思う人もいるかもしれません。

しかし、パワーハラスメント対策に取組むことは、必要な指導や職場の人間関係を難しくするものでは決してありません。

職員一人ひとりがパワーハラスメントについて正しい知識を持ち、パワーハラスメント対策を「指導方法の改善」や「コミュニケーションの活性化」といった前向きなものとしてとらえ、職場全体で取組むことが大切です。

そして、もしもパワーハラスメントに悩んでいる場合には、都道府県の労働局などの相談先に相談することができますので、必要に応じて活用し、解決に向けた一歩を踏み出してください。

パワーハラスメントとは?パワーハラスメントの定義

パワーハラスメントとは、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

「職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性」とは上司から部下に対して行われるものに限らず、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われる場合などもあります。

経験や専門知識が豊富であるなど、職場内にはさまざまな優位性が存在し、それらを背景としてパワーハラスメントが行われる可能性があります。

「業務の適正な範囲を超えて」とは、指示や指導を不満に感じたりする場合でも、それが業務の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントには当たりません。

業務上の指示や指導とは言えないものAや、業務上の指示や指導であっても、粗暴な言葉を用いるなど、その手段や態様が適切でないものは、業務の適正な範囲を超えるといえます。

パワーハラスメントの行為類型

パワーハラスメントは、次のとおり、典型的な6類型に分類されます。

身体的な攻撃(暴行・傷害)

精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)

人間関係からの切り離し(隔離・仲間外れ・無視)

過大な要求(業務上明らかに不要なことや、遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)

過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないこと)

個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

指導とパワーハラスメントの違い

指導とパワーハラスメントとの線引きは難しいと思われるかもしれません。

しかし、管理監督者(園長の職にある者など)には職場をマネジメントし、部下を育成していく役割があるため、「パワーハラスメントになるのではないか」と委縮して、業務上必要な指導をしないのは、管理監督者としての職責を果たしていないことになります。

一方で、いかに目的が正しいとはいえ、適正さを欠く指導は、部下の仕事への意欲を削ぐだけでなく、人格を否定し、人としての尊厳を傷つけてしまいます。

パワーハラスメントを起こさないために

まず、正しい知識を身に付け、行動することが大切です。パワーハラスメントのない職場にするためには、職員一人ひとりがパワーハラスメントについて正しい知識を持ち、同じ職場で働く者同士、お互いに尊重し合うことが重要です。

自らがパワーハラスメントを行わないことはもちろん、パワーハラスメントは許さないという姿勢が求められます。

また、周囲でパワーハラスメントと思われる事案に気付いた場合は、積極的に声をかけたり、必要な場合には相談先を案内するほか、相手に気付きを促すなど、状況に応じて適切な対応をとるように心がけてください。

また、コミュニケーションを大切にすることでパワーハラスメントを防ぐこともできると考えられています。

厚生労働省による「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」では、パワーハラスメントに関する相談がある職場に共通する特徴について、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が他を引き離し、トップとなっています。

コミュニケーションが十分にとれている職場は、パワーハラスメントが起こりにくいと言われており、コミュニケーションの活性化はパワーハラスメント防止にも有効と考えられます。

パワーハラスメントを受けたと感じたら

相手の言動がパワーハラスメントではないかと感じたら、その言動が業務上の適正な範囲を超えているものかどうか、冷静に考えてみましょう。

誰でも、注意されたり叱られたりすることは気持ちのいいことではありませんが、あなたの成長を期待し、あえて厳しく指導しようとしているのかもしれません。

しかし一方で、業務上の指導だからといって、どのような方法を用いてもよいわけではありません。

人格を否定するような指導方法は、パワーハラスメントに該当する可能性が高いと言えます。

また、パワーハラスメントは、自覚なく行われるケースが多いと言われています。

明らかに業務の適正な範囲を超えた言動である場合には、相手に対して明確に拒否の意思表示をすることも大切です。

パワーハラスメントに悩んでいるときは、一人で我慢するのではなく、周囲の信頼できる人や、各都道府県の労働局など相談先に相談しましょう。

 

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保育者
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび