入学の不安を取り除いて、保護者を安心させるポイント

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入学の不安を取り除いて、保護者を安心させるポイント

小学校への入学は、子どもの成長と相まって、うれしい反面、不安を感じることもありますね。ここでは、小学校への進学を控えて、不安になる保護者を安心させるポイントについてご紹介します。

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小学校に入るのに文字が書けないという不安を取り除く

来年から小学校に入学するAくんは、ほかの子と比べると文字への興味が薄く、保護者からこんな相談を受けました。

「進学まであと少ししかないのに、ひらがなもまだ自分の名前しか書けません。小学校に行って困らないように、今からもっと文字を教えたほうがいいでしょうか?」

このような相談を受けたときは、無理に文字を教えるのは逆効果なので、文字も興味がもてる環境づくりをしましょうと話すとよいでしょう。

進学前に、子どもに文字や数に対する習得度に不安を感じる保護者は少なくないようです。しかし、基本的に文字や数は小学校で系統立てて習うものなので、進学前に読み書きができなくても焦って教え込む必要はありません。文字については、ひらがなで自分の名前の読み書きができれば問題ありません。

進学後に困らないようにと、Aくんのように文字の練習を強制することはよくありません。無理に練習をさせようとするのではなく、文字に興味がわくような環境づくりをすることが大切です。園では靴箱に名前シールを貼ったり、おもちゃ箱にしまうおもちゃの名前を書くなど、子どもが自然と文字に興味を持てる環境を整えています。保護者には「持ち物に一緒に名前を書いたり、カルタなどの文字遊びを通じて。Aくんの文字に対する興味を高めていければいいですね。興味が持てるようになれば、文字を習得するのもあっという間ですよ」とアドバイスしましょう。

入学前は文字や数を覚えるより、学ぶ力の基礎を身に付けることが大切であるということを、保育者も改めて確認しておくとよいでしょう。入学前に基本的な生活習慣を身に付けられるように、取り組んでいきたいですね。よくかんで食事をすること、よく体を動かすこと、早寝早起きで十分な睡眠をとることなど、基本的な生活習慣が小学校での学習を支える健全な体をつくります。学ぶ力の基礎となる集中力や持続力も大切となるので、学ぶ力の基礎を園で身に付けられるといいですね。

ただ、幼保小連携事業の一環で、小学校参観の機会を設けるなど、子どもがスムーズに進学できるように配慮する園も多いはずです。進学前に多くの不安を抱えているのは、むしろ保護者のほうかもしれません。小学校をよく知る先生を招いて、保護者向けの講演会や質問会をしていただくのも効果的です。

マイペースな子どもの保護者の不安を取り除く

来年から小学校に進学するCちゃんは、マイペースで行動もゆっくりとしています。このCちゃんの保護者から次のような相談を受けました。

「何をするにものんびりしていて、朝の身支度も時間がかかります。着替え、食事にもすごく時間がかかります。こんなことで小学校の生活ペースについていけるかとても心配です」

このような相談を受けた場合は、時間を意識した行動ができるよう、家庭と園とで促していけるとよいでしょう。時間の意識を学ぶには、家庭だけの取り組み、園だけの取り組みにならないよう、家庭と園が連携していくとよいでしょう。

小学校ではすべての活動が時間で区切られています。園のゆったりしたペースのままでは通用しないことがあるのも否定できません。のんびりしているCちゃんには、少しずつ「時間」を意識して着替えや食事、片付けなどの活動ができるよう声をかけていく必要があります。また、着替えが遅いのは手先が不器用だからか、それとも何かに気をとられているからなのか、その原因を考えてみることも大切です。不器用なら、それを克服できるように手先を使った遊びを多く取り入れてもいいですね。何かに気を取られているなら、集中できる環境をつくることで解決するかもしれません。原因を探りながら、家庭でも時間内に終わらせることを意識した声かけを繰り返し行ってもらうよう伝えましょう。

また、「そんなことじゃ小学校に行けないよ」といった否定的な言葉は避け、時間内にできたら「さすが、もうすぐ小学生だね」とほめて、やる気を出させる声かけをすることも保護者にアドバイスしましょう。

のんびりとした子どもをみると、大人はつい焦ってしまいがちですが、少しずつ早くできるように、励ましつつ、見守っていけるとよいですね。時間に間に合ったときはたくさんほめてあげましょう。保育者の焦りが子どもに伝わることのないよう、ゆったりとした子どもは丁寧に取り組むことで、きちんと時間内にできるようになっていきます。

引っ越しをする保護者の不安を取り除く

小学校進学と同時に地方に引っ越しをするSちゃんの保護者から、次のような相談を受けました。

「まったく知り合いがいない土地で、進学する小学校の様子もよくわかりません。娘も心細いようで、よく『小学校はどんなところ?』と聞いてきます。進学に対して少し神経質になっているようなのですが・・・」

このような相談を受けた場合はどのように答えるとよいのでしょう?

子どもの小学校進学に対し、保護者は多かれ少なかれ不安を感じているものです。特に第一子が進学を控えている場合、小学校は保護者にとっても初めての場所ですから、わからないことだらけです。

Sちゃんの家族の場合、引っ越し先で進学するのですから、不安はますます大きなものでしょう。気を付けたいのは、保護者の不安は、子どもにもすぐに伝わってしまうということです。もちろん、Sちゃん自身も進学に不安を感じているのでしょうが、まずは保護者自身が不安をなくす努力をすることが必要です。「お母さんが不安がっていると、Sちゃんもますます不安になってしまいます。Sちゃんと一緒に進学する小学校を見に行ったり、小学校や引っ越し先の地域の情報を集めてみてはいかがでしょうか?お母さんの不安がなくなればSちゃんも安心でき、進学が楽しみになってくると思いますよ」などと話してみましょう。

まずは、保護者の不安を和らげ、子どもに不安感が伝わらないようにしていくとよいでしょう。

また、園での、Sちゃんの成長を伝えてみるのもいいでしょう。入園当初は初めてのお友達、初めてのクラスで、この園に通うことに抵抗があったかもしれませんが、いまではこんなに楽しく通っているんですなどと伝え、Sちゃんが環境がかわっても、楽しく過ごしていけるということを保護者に伝えてみましょう。

進学というと少し堅いイメージですが、園での活動が小学校につながっているということも、うまく伝えられるといいですね。Sちゃんの場合、進学と同時に引っ越しということなので、在園している間にある小学校との連携で、小学校への楽しい期待感を膨らませることができると、よりよいでしょう。

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ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび