手にとったり、味わったり、食材に触れることで、表現へとつながる
食材を見るだけでなく、実際に触れる体験も大切ですね。
手にとってさわり心地や重さを感じたり、水で洗ったり、ちぎったり、練ったりすることで食材をより深く知ることができます。
さらに触れた食材を味わって触感を知ることで、味や食感を表現できるようになります。
目安として、3歳児ではいろいろな食材をみて、知っている食材を増やすこと、4~5歳児では知っている食材を「にんじんは野菜」というように、種類ごとに分類できるとよいですね。
本物の野菜でパズル遊び
子どもたちの前で、本物の野菜をカットします。
このときに断面がユニークな形になるようにカット位置を工夫しましょう。
野菜の外側と内側の色が違うことを知ったり、本物の野菜に触れたりすることで、感触やにおいなどを楽しみましょう。
その後に、子どもたちはカットされた野菜をパズルのように組み合わせて、元の形を再現してみましょう。
子どもたちは、実際に野菜の形に触れることで、より食材への興味や関心が高まり、自分がどんなものを食べているのかを知ることができます。
野菜&果物あてクイズ
箱に野菜や果物を入れて、手がはいるくらいの穴をあけておきます。
子どもは箱の中に手を入れ、触った感触から野菜や果物の名前をあてます。イボイボのあるきゅうりや皮が固いかぼちゃ、ツルツルしたなすなど、見えないことでより感触を知ることができます。
箱の中身をイメージしやすいように、野菜や果物を机の上にならべておいてもよいでしょう。
いろいろな人に話しを聞いてみましょう
園の近くに、農家や漁場などがあれば、協力をお願いして子どもたちと話を聞きに行き、収穫される前の野菜やとれたての魚などをみせてもらいましょう。
「野菜にはどんな花が咲くの?」「魚は何を食べるの?」などと、行く前の子どもたちと質問を用意しておくとよいでしょう。
見学したあと、畑で見た野菜を図鑑でチェックしたり、絵を描いて表現活動につなげたりしましょう。
描いた絵を農家の人に届ければ、地域との交流も生まれます。
食育の声かけのヒント
大好きなメニューでも、何から作られているのか子どもたちは意外に知らないもの。
食材について考えることから、「食」に対する興味も広がっていきます。
食は、子どもが豊かな人間性を育み、生きる力を身に付けていくために、また、子どもの健康支援のために重要なことでもあります。園でも食に関する積極的な取り組みをしたいものですね。
子どもたちが口にしている食事は、いろいろな食材が調理され、すでに形も色も変わっています。
「これ、おいしい!でも、一体何でできているのかな?何が入っているのかな?」と、自分が口にするものに関心を持つことが大切です。子どもたちになじみのあるメニューの食材を当てるゲームを通して、楽しく考えてみましょう。
「食」への興味を引き出す
子どもたちは、チャーハンを食べている、ハンバーガーを食べているという意識はあっても、その中に含まれている具や、パンのもとは何かというところまで思いは至りません。
豆腐は大豆から、チーズは牛乳からできているということだけでも、かなりの驚きでしょう。
じゃあこれは何だろう?と探偵になった気分で探ってみましょう。
自分が食べているものを知る大切さ
元気に過ごすためには、肉や魚、野菜、海藻などをバランスよく食べることが大切です。
今、食べているものが野菜なのか海藻なのか、そしてどのような栄養があるのか?また栄養素が体の中でどういう働きをするのかなどを簡単にでも話をすることで、食事の意義を知ることができます。
食への感謝の気持ちを持つ
今、目の前の料理を食べることができるのは、調理してくれた人のおかげだけではありません。例えば、のり巻き寿司を食べられるのは、お米を育ててくれた人、のりを採ってくれた人、酢をつくってくれた人、そして、それらをトラックで運んでくれた人など、たくさんの人のおかげでるということを感じられるといいですね。
次のページでは、バランスのよい食事についてご紹介します。