食育は資格がなくても大丈夫。幼児の食育の基本、ねらいとは
偏食や小食、立ち歩きなど、「食」に関する悩みはさまざまですね。今回は、食事の楽しい雰囲気を壊すことなく、悩みを解決する方法を考えていきましょう。
食育をどのように進めていけばよいのかわからない、とい保育者の悩みをよく耳にしますが、食育は難しいことではありません。園生活のなかで、子どもと保育者が一緒に食事を楽しむことも、十分食育といえるのです。楽しんで食べることを通して、食べることが好きになる、食べたいものが増える、食べ物の話題が多くなる、クッキングがしたくなる、野菜を育ててみたくなる・・・そういった変化が子どもたちに見られるようになれば、食育は成功しています。まずは保育者自身が、子どもたちとの食事を楽しんでみてください。子どもたちの目が輝きだしたら、こんなに嬉しいことはありません。
好き嫌いが多い子どもは、どうする?
野菜も果物も嫌いで、給食の半分以上を残しているような子どもは、栄養的に大丈夫なのかと心配になりますね。しかし、病気もせず、体も順調に育っているのなら、さほど心配しなくてもよいでしょう。無理に食べさせようとするよりも、その野菜についておもしろい話しをしたり、保育者がその料理をおいしそうに食べたりして、「食べてみようかな」と思える雰囲気をつくっていくことが大切です。
食事中、うろうろと動き回る子どもは、どうする?
食事に集中できず、すぐに席を離れて歩き回り、何度注意しても聞かないため、つい大きな声を出してしまい、給食の雰囲気が悪くなってしまいますね。なぜ、落ち着いて食べることができないのかを考えて見ましょう。朝食が遅かった、午前中あまり活発に活動していなかったなどで、おなかがすいていないということも考えられます。保護者に話して原因を探り、対策を考えていきましょう。
食べるのが遅すぎる子、速すぎる子は、どう対応する?
「いただきます」をするとあっという間に食べ終わる子、反対にいつまでたっても食べ終わらない子、いますよね。それぞれに心地よい食べる速度があるので、無理に同時に食べ終わる指導をする必要はありません。ただし、速すぎる子は丸のみをしていることもあるので、ゆっくりとよくかんで、楽しく会話しながら食べるともっとおいしくなることを伝えましょう。遅い子はおしゃべりに夢中になっていないか、嫌いなものがあるのか、もうおなかがいっぱいになっているのか、原因を探って対応しましょう。
よくかまずに丸のみしてしまう子は、どうする?
食事をよくかまずに丸のみしてしまう子、逆にいつまでもかんでいて飲み込むことができない子どもは、どのように支援をしていけばよいのでしょう?離乳の時期に硬いものを早く与えすぎると、うまくかめずに丸のみするようになりがちです。丸のみは肥満の原因にもなります。保育者が手をパクパクと動かすなどして、かむことをうながし、少しでもかんで食べることができたらほめて自信がもてるようにしましょう。笑顔でかめば、唾液もたくさん出て飲み込みやすくなります。
食べ物を粗末にしている子は、どのように対応する?
お茶碗にごはんがたくさんついたままで「ごちそうさま」をする子、食べ物をフォークでぐちゃぐちゃにかきまぜて遊び始める子には、目の前に置かれた料理は、生産者や調理してくれた人たちの心がこめられているということを伝えてみましょう。食べ物で遊び始めたら食事に飽きてきたサイン。「もうおしまいにするよ」とけじめをつけさせてもよいでしょう。