行事に参加できない子どもへの対応の工夫
園では、子どもたちが楽しみにしている運動会や発表会などの行事がいろいろありますね。
発達障害のある子どもがスムーズに行事にできるようにするには、どのような工夫が必要なのでしょうか?
保護者への配慮
多くの保護者は、障害があってもその子どもなりに行事に参加させたいと思う反面、「何か問題を起こすのではないか」「みんなに迷惑をかけるのではないか」などの不安を抱えています。
この不安が大きくならないように、事前に保護者に対して「今回の行事では、どこに目標を置くのか」ということを説明をしておくとよいと思います。
たとえば「Aくんはこの部分は難しいかもしれないので、この種目は一緒に参加するということを目標にしましょうか」などとお話しして、ふだんの練習時には「今日はここをがんばりました」と細やかに伝えていきます。
「がんばったことをおうちでたくさんほめてあげてくださいね」と協力をお願いすれば、園でも家庭でもほめられて、子どもにとっても大きな自信につながります。
当日の混乱を心配しているようでしたら、考えられることを示して。「その場合には、このように対応します」と伝え、安心して見守ってもらえるように配慮しましょう。
まわりの子どもたちへの配慮
行事では、子ども同士でも、「できる」「できない」にこだわってしまう傾向があります。
しかし、「上手にできることがえらいのではなく、がんばることがすごいんだよ」ということをふだんから繰り返し伝えていくことで、行事においても同じように考えられるようにしておきたいですね。
発達障害のある子どもに限らず、楽器を鳴らすのが苦手だったり、走るのが苦手だったりと、いろいろな子どもがいます。
けれども、どの子どもも一生懸命がんばっていて、その努力を認めていくことが大切だと保育者が考えていれば、それが子どもたちにも伝わって、自然と子どもたちのなかにも「できないことは手伝ってあげよう、応援しよう」という気持ちが芽生えてくるものです。
園全体での協力体制
大きな行事の計画は、園全体で立てていくかと思いますが、発達障害のある子どもが楽しく意欲的に参加できるようにするためには、どのようなプログラムが適当なのか、細かい内容についてもみんなで考えていけるとよいでしょう。
その際は、発達障害の子どもではない、そのほかの子どもへのフォローはどうするのかなども含めて、適切な対応を園全体で把握しておきましょう。