【1歳児・2歳児】友達を噛む?たたく?友達と遊ばない?友達とうまく関わるために
周りの友達の存在に気づき、興味が出てくる1歳児~2歳の時期。おもちゃの貸し借りなどが増えると、自然とトラブルも多くなります。保育者は、友達との関わり方をどう教えていけばよいのでしょうか。
身近な子どもに興味が出てくる時期
0~1歳ごろまでは、保護者や保育者など大好きな大人と過ごすことで心が満たされていた子どもたちも、1歳をすぎることから、周りの子どもに興味が出てきます。大人と接していたこれまでは、泣くことで意思表示をすると対処してもらえましたが、子どもどうしではそうはいきません。生まれて初めて友達と関わるので、子どもはどう接してよいのかわかりません。そのうえ、ことばでうまく気持ちを伝えることがまだできないので、たたいたりかんだりすることで意思表示をしがちです。そこで、トラブルになったときには保育者が間に入り、お互いの気持ちを代弁しましょう。また、保護者にも今、子どもが友達と関わりたい時期だということを事前に話しておくとよいでしょう。保育者は、
子どもと関わりたいのにうまくいかず、たたいたり泣いたりと毎日のようにトラブルは起こります。保育者の工夫で未然に防いだり、スムーズに解決する方法を見てみましょう。ただ、トラブルを完全に防ぐということはほぼ無理なので、トラブルが起きても多少は仕方がないことだと思うことも、余裕をもって対応するためには必要なことです。
友達とのトラブルが増えてきます
周りの友達の存在に気づき、興味が出てくる1歳児~2歳の時期。おもちゃの貸し借りなどが増えると、自然とトラブルも多くなります。保育者は、友達との関わり方をどう教えていけばよいのでしょうか。
子どもが何を伝えたいのか、気持ちを汲み取って代弁を
1歳児は「貸して」「いいよ」「順番ね」など、簡単なことばとボディーアクションがあるとコミュニケーションがとりやすいでしょう。2歳になるともっと友達と関わりたくなり、また自己主張も強くなります。例えば、ままごと遊びで、「今はここをおうちにしたいから待ってね」などと、複雑な気持ちを伝えることばが必要になりますが、まだそこまでのことばを持ちあわせていないので、保育者が気持ちを汲み取って代弁をしてあげるとよいでしょう。何度も繰り返すことで、友達との関わり方がわかるようになります。また、友達に「いや」「だめ」といわれると悲しくなりますが、そんな気持ちを体験することも成長するうえで必要です。保育者は、フォローのことばかけを大切にできるとよいですね。
1歳児の初めのころは、まだことばがあまり出ないので、「友達が使っているおもちゃで遊びたい」と思っていても、「おもちゃ貸して」とはいえず、いきなり奪い取ったり叩いたりしてしまうこともあります。保育者は、ことばと同時に簡単なボディーアクションを教えるとよいでしょう。例えば、「貸して」と言う場合は、片方の手のひらともう片方の手の甲を合わせて「貸して」と言うなどがあります。子どもが自分の思いを相手に伝えるための方法を知る第1歩になります。「ありがとう」はペコリとおじぎをする、「もう一回」は指を1本立てるなどもよいでしょう。
いろいろな子どもかみついてしまう子は、どのように対応する?
興味がいろいろなことに向いている子どもは、他の子どもに近づくことが多いので、かみつきが頻繁に起こることがあります。保育者は、かんでしまう子のそばにできるだけつくようにし、「かみそう」と思ったら子どもたちを引き離すなど、適度な距離を持たせるようにしましょう。ただ、かみつきが目立つ子どもは、ほんとうの原因が友達関係でないこともあります。生活リズムが乱れていないか、スキンシップは足りているか、体調は悪くないかなど、何が原因なのかを見極めることも大切です。場合によっては、家庭でのようすを保護者に聞いてもよいでしょう。
保護者から「うちの子が、かまれている!」という相談を受けたときは
1歳児~2歳児の子どもたちは、友達と関わりたい時期です。でも、まだコミュニケーションをうまく取ることができないため、叩いたり押したり、かんだりすることを知らない保護者は「うちの子がかまれている、イジメでは?」と心配することもあるようです。保育者は事前に保護者会やおたよりなどで、現在はそういう発達段階にあることを説明しておくとよいでしょう。実際にトラブルがあったときには、保護者に再度、そういった発達段階であることを説明し、その日かまれる前の状況や、仲良しんあおで一緒にいることが多いなど、かんだ子との関係も詳しく伝え、いじめられているわけではないことを話しましょう。また、ふだんから園や保育者と保護者と良い信頼関係を築いておくと、こういうった場合も、保護者からの理解を得やすくなります。
トラブルを子どもたちだけで解決しようとしているときに、どう対応する?
2歳児後半になると、保育者がいつも仲裁をしているのをまねて、子どもどうしのトラブルに第三者の子どもが加わり、トラブルを子どもたちで解決しようとすることがあります。保育者が間に入ったほうがスムーズに解決できますが、まずは見守ってみましょう。
「AちゃんはBくんおもちゃが欲しかったんだね」「そういうときは、貸してっていうんだよ」など、子どもたちだけでもある程度折り合いをつけられれることもあります。長引きそうになったら、保育者が間に入って、子ども同士の関わりの手助けをしましょう。
子どもの同士で、問題を解決する力をうまく育てることができるとよいですね。また、貸し借りの際は、本当は貸したくないのに、我慢して貸してくれる子どももいるので、そういうときは、我慢して貸してくれたことを大いに褒めてあげましょう。もちろん、遊び始めたときなど、すぐには貸したくないときもありますので、いつでも貸してあげることが最善ではないことを保育者も頭に入れておくとよいでしょう。