嘔吐や下痢、頭痛、熱、頻尿などはストレスが原因のこともあります
日々さまざまなストレスを感じながらも、自分ではそれを解消するすべを知らない子どもたち。そんな子どもたちのために、保育者はどのようにストレスをケアすればよいか、その対応について考えてみましょう。
ストレスサインは、子どもの防衛手段。保育者はいち早くキャッチを
毎日を自由にのびのびとすごしている子どもにストレスは無縁と思われがちですが、子どもも子どもなりに、日々の出来事に対して、「いやだ」「悲しい」「怖い」といったさまざまな負の思いを感じながら生活しています。
大人なら、その状況をうまく改善したり克服したりできますが、子どもにはそれができないので、負の感情が大きい場合や長期的に続く場合は、ストレスとなって心身によくない影響をもたらします。
子どもは自分で自分のストレスをケアできませんが、その代わりに、行動や体調の変化というサインでストレスや自分のつらい状況を周囲に伝えます。
いわば、ストレスサインは子どもが自分を守るための防衛手段で、保育者はいち早くそれに気づいて適切な対応を取ることが大切です。
子どもによく見られるストレスサイン
赤ちゃんがえり/チック/吃音/頻尿/おもらし/乱暴な行動/ぼんやりして表情が乏しい/つめかみ/髪をむしる
※これらのサインが表れる原因が、ストレスではないこともあります。
原因を取り除くことと、子どもが安心してすごせる環境をつくることがストレスケアの基本
ストレスケアは、原因になる事柄を子どもから取り除いたり、遠ざけたりすることが基本となります。ですから、ストレスサインに気づいたら、まずは、子どものようすや行動をより注意深く観察し、その原因を探ることが大切です。
そして、ストレスの原因は、園だけでなく、家庭にある場合もあります。さまざまな可能性を考えて原因を探ることが大切です。
場合によっては、気になるようすを保護者に伝え、家庭と協力して対応を考えていくことも必要になります。
小学校受験や家族の問題などのように、ストレスの原因によっては、保育者の努力によって根本的に原因を取り除いたりすることが難しい場合もあります。
また、これといった原因がみつからない、という場合も決して少なくありません。そのような場合は、原因を追究することにとらわれず、疲弊した心や体が休まるように、子どもが安心してすごせる環境づくりと対応を第一に心がけましょう。
子どものストレスの原因になりやすい事柄
環境の変化(進級・進学・引越しなど)/身体的な疲れ/友だち関係/園行事/小学校受験/母親の妊娠、出産/親の不仲や離婚/親の厳しいしつけ