保育にお店屋さんごっこを取り入れよう
子どもたちが考えて作った品物を使って、売る人や買う人を演じる「お店やさんごっこ」。
日々の活動のなかでの保育者の言葉かけひとつで、子どものやる気があふれ出す、楽しい行事になります。
日々のあそびが、「お店やさんごっこ」に発展する
子どもたちは日常の園生活で、ままごとなどのごっこあそびや造形活動を体験しています。
「お店やさんごっこ」は、それらのあそびや活動が発展したものです。
保育者は、子どもたちが「お店やさんごっこ」を楽しめるように、ふだんから紙粘土や折り紙、リサイクル素材、絵の具など、さまざまな素材に触れる機会をたくさんつくっておきましょう。
使いこなせる素材を増やしてあげることで、子どもの創造性がふくらみ、作れる品物が増えていき、活動も広がっていきます。
「お店やさんごっこ」の根底にある目的は「友だちといっしょに何かをすることは楽しい」ということ。
準備期間や規模によって取り組み方は異なりますが、保育者のアイデアを押し付けるのではなく、子どもの自由な発想を尊重しましょう。
保育者はそれぞれの子どもがもっているイメージを、共通の「お店」につなげるためのサポートをすることが大切です。
お店を決めるときは、まず子どもたちの普段のようすを観察しましょう。
どんなことに興味をもっているか、どんな素材が使えるのかといったことが見えてきて、「○○くんはこんなお店ができるかな」と、作れそうな品物やお店のイメージがわいてきます。
お店やさんごっこで育まれるもの
協働性
仲間で協力して、「お店やさんごっこ」の準備をすることで、子どもたちの関係が深まります。
自己主張をしたり、互いのイメージが行き違ったときは譲り合って折り合いをつけることも体験します。
社会性
お店のようすや売る人はどんなことをしているかを実際に見学してみましょう。
品物を作って売り、売ったらお金がもらえるという関係を知ることや、そのお店やさんになりきってあそぶことで、社会性が身についていきます。
創造性
お店がどんな品物を売りたいのか、子どもたちはイメージを膨らませて、自分たちの作りたい品物と素材を結びつける力や創造力を育みます。普段からいろいろな素材に触れられるとよいでしょう。
認識力
「何やさんになるか」「何を作るか」と考えていくうちに、「お店やさん」に関するいろいろな言葉を会得したり、品物を制作する際に何個つくればよいかを考えるようになるなど、実体験を通して言葉や数を認識できるようになります。