マネジメント分野を理解し、キャリアアップにつなげよう
近年、子どもや子育てを取り巻く環境が変化し、教育・保育施設等に求められる役割も多様化・複雑化する中で、保育者(保育教諭・保育士・幼稚園教諭など)にはより高度な専門性が求められるようになっています。
平成29年4月1日付けで厚生労働省により「保育士等キャリアアップ研修ガイドライン」が定められ、都道府県等が、 一定の経験を積んだ保育士等を対象に、専門的な各分野の研修を実施することとなりました。
このガイドラインにもとづき、現場の保育士等が日々の教育・保育業務に加え、多様な課題への対応や若手の指導等を含めた職務を行っていることを鑑み、職務内容に応じた専門性の向上を図るため、研修が実施されています。
この研修を修了した保育者が、勤め先の認定こども園・保育所・幼稚園・地域型保育事業で副主幹保育(幼稚園)教諭、副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダー等として発令を受けた場合、施設型給付費における処遇改善等加算(月額4万円又は5千円の処遇改善)の対象となります。
研修の受講要件については、2022年度を目途に当該要件の必須化を目指すこととしていますが、2021年度までの間は当該要件を課さないこととしています。2022年度以降の取り扱いについては、全国における研修の受講状況を踏まえ、国が判断されます。
研修はせっかくの休日を使ってしまうものでもありますが、受講要件が課されていないうちに、受講をしていくのをおススメします。
このページでは、そのキャリアアップ研修のひとつ、「マネジメント」の中から、マネジメントの理解と組織目標の設定についてご紹介していきます。
マネジメントの理解
なぜ、いま「マネジメント」なのか
もっと良い保育をしていきたい、もっと良い園にしていきたい・・・。
保育者は毎日、現場でそう考えながら保育をしています。
しかし、時として、それが目に見える結果としてあらわれないことも多くありますね。
でも、それはなぜでしょうか?一生懸命やっているのに・・・。
そこには、思ってもみなかった原因が隠れているのかもしれません。
ここでは、「マネジメント」という視点から、保育について考えていきましょう。
マネジメントの定義と特徴
マネジメントという言葉は、P.F.ドラッガーという人物が「マネジメント=組織が成果を上げるための道具、機能、機関」であると定義したものです。
組織において、目標を設定し、それを達成するために、組織の資源を効率的に活用することです。
日本語に訳すと、マネジメント=管理、経営となります。
マネジメントが必要となった現代の保育現場
保育に対する役割や期待の質的変化や、保育を担う専門職がもつ社会的地位の相対的低下によって、保育園でも新たな保育活動や援助が求められ、保育者が多忙になってきています。