保育者が園で調理をすることはないかもしれないけれど、知っておきたい食中毒のこと
保育所では、調理室で調理された食事を保育士がランチルームや保育室で盛り付けることがありますね。
調理場では食中毒防止の3原則により衛生的に調理されますが、それを盛り付ける保育士の手が汚れていたら、不衛生になってしまうかもしれません。
調理のほかに、調乳を保育士が担当することもあります。
乳児や幼児への食事の準備前など、保育士が食事に関わるときには、手洗いを丁寧にすることが食中毒の防止のために最も重要なことです。
また、清潔なエプロンや三角巾、マスクの着用を心がけましょう。
おいしい食事をするためには、食事が安全であることが前提になります。
食中毒を予防する衛生管理
食事作りで大切なことの1つに、衛生管理があります。
この衛生管理が不十分であると食中毒などが発生する可能性があります。
食中毒の多くは細菌が引き起こす、細菌性食中毒ですが、2016年(平成28年)の発生件数は、ノロウイルスが最も多く(31.3%)、次いでカンピロバクター(29.7%)となっています。
子どもの場合は免疫力が低いために食中毒の原因となる細菌やウイルスなどに接触すると、菌数が少なくても食中毒を引き起こすことがあります。
また、ノロウイルスや大腸菌Оー157などのように人から人へ感染する種もあります。
食中毒の原因となる金は、飲食物だけでなく、調理器具や食器、人の手指や鼻腔にも付着しています。
食中毒の発生場所として最も多いのは飲食店(62.5%)ですが、家庭(10.4%)や給食施設(3.8%)でも発生しています。
そのため、食事づくりの場や、食事を提供する場での手洗いが重要になってきます。
保育に携わる人にとって、食中毒の原因や予防法を把握することが大切なのです。
食中毒とは
食中毒とは、有害・有毒な物質に汚染された飲食物や食品を口から摂取することにより起こる、胃腸炎症状を主な症状とする健康障害のことをいいます。
食中毒の原因には、細菌によるもの、ノロウイルスなどウイルスによるもの、食品に含まれる農薬や水銀などの化学物質によるもの、毒きのこやフグ、じゃがいもの芽など食品そのものに毒性があるもの、寄生虫によるものがあります。
保育所では、特に細菌によるものとウイルスによるものが問題となり、注意が必要です。
細菌性の食中毒を予防するためには、食中毒予防の3原則を守って調理をすることが大切なことです。
保育者が保育園で調理をすることは少ないかもしれませんが、子どもと調理体験をする際の注意事項として知っておきたいですね。