食物アレルギーについての理解を深めましょう
子どもたちの食生活では、食物アレルギーと子どもの問題について、きちんとした理解が必要です。
日本におけるアレルギー疾患(ぜんそく、花粉アレルギー、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)の患者数は、年々増加傾向にあります。
アレルギー疾患は、日本だけでなく、他の先進国でも増加しており、世界の各国で問題になっています。
日本では、国民全体の2人に1人が、何らかのアレルギー疾患を有すると考えられており、そのなかで、食物が原因で起こる食物アレルギーに関しては、厚生労働省の調査により乳幼児の14.8%がにその症状がみられたとされています。
約7人に1人の乳幼児が、何らかの食物アレルギーであるということを知っておくとよいでしょう。
食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、食物によりアレルギー反応を引き起こすこといいますが、その原因となる特定の食品や食材は人により異なります。
アレルギー反応は、じんましんや湿疹などの皮膚症状、充血や浮腫などの目の症状、くしゃみや鼻水などの鼻の症状、口やのどの違和感やかゆみ、呼吸困難などの呼吸器症状、腹痛や下痢などの消化器症状などのさまざまな症状が起こります。
これらの症状が単独のみの場合もあれば、複数合併して現れることもあります。
さらに、全身性のアレルギー反応である血圧低下や呼吸困難や意識障害をもたらすアナフィラキシーという重篤な症状になることもあります。
食物アレルギーでは、原因となる食品を摂取した後、30分以内で症状が出現するものを即時型、8~24時間後に現れるものを遅延型と呼んでいます。
アナフィラキシーとは
アレルギーを引き起こす特定の物質(アレルゲン)により、短時間に全身性のアレルギー症状が出ることをアナフィラキシーといいます。
その中でも、血圧低下や意識障害などを伴う危険な状態をアナフィラキシーショックといいます。
食品表示法において、アナフィラキシーショックを引き起こす危険性のあるアレルギー物質であると規定されている特定原材料は7品目で、卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そばが指定されています。
これら7品目は、特定原材料名表示が義務化されているので、表示を見たことのある人も多いのではないでしょうか。
なお、卵、乳、小麦は即時型アレルギーの原因となることが多いことも知っておくとよいでしょう。
乳幼児の食物アレルギーの発症頻度の高いものは
乳幼児の食物アレルギーの発症頻度の高いものは、第1位が卵、第2位が乳、第3位が小麦となっています。
卵、乳、小麦の3つは、すべて特定原材料に指定されています。