地震対策について考えておきましょう
日本周辺では、どれくらいの回数の地震が起きているのでしょうか?
答えは、年間約2000回です。
しかも、阪神・淡路大震災以来、震度5以上の地震は毎年起きています。
2011年の東日本大震災は記憶に新しいですし、いつ、どこで大地震が起きてもおかしくない状況なのです。
いざ、大地震が起きたときに、その大きな揺れに動揺して、そのときにその場でできることは想像以上に少なくなってしまうものです。
ふだんから繰り返し、防災訓練を行い、スムーズに行動できるようにしておくことが大切ですね。
また、部屋の棚を固定するなど、環境対策をしっかりとし、災害時の安全や逃げ道を確保しておくことが重要になります。
園全体での対応はもちろんですが、クラス単位でできる防災訓練を見直し、自身への備えをより確実なものにしていきましょう。
もっとも、大地震と子どもが聞いても、反応はいまひとつかもしれません。5歳児くらいであれば、大地震をテーマにした紙芝居や絵本を読んでみせるというのもよいかもしれません。
地震の揺れで上から物が落ちてくることがあるから、頭を守ろう!ということが子ども伝わることが、地震対策への第一歩といえるでしょう。
保育所保育指針の改定にも、地震などの災害に備えておくことが明記されています。
園全体でチェック!危機管理チェックシート
園舎の耐震性のチェック/ガラスや蛍光灯の飛散防止対策/通園・散歩ルートの安全確認と待機場所の確認/2次・3次避難所の確認/ピアノや大型家具の転倒防止と配置の見直し/消火器や非常食などの備え/非常時の職員間の連絡方法や役割分担/保護者への連絡方法・引き渡し方法の確認と保護者への周知
安全にスムーズに避難できるように
どんなに防災訓練を繰り返しても、いさ大地震が発生したら逃げ場がふさがれるような室内の状況では意味がありません。
それに、落下物や転倒物で子どもたちや保育者が大けがをしてしまう可能性もあります。
棚やロッカー、窓ガラスなどに防災対策を施して、安全に、スムーズに避難できるようにしましょう。
棚の固定やガラスの飛散予防には、身近な金具や100円ショップで販売されているようなグッズが役に立ちます。
また、もし転倒しても空間が確保できるように家具を配置したり、どこが危険な場所なのかをふだんからチェックして把握しておくだけでも、とっさの行動や判断を大いに助けてくれます。
ここをチェック!
●ドアや窓のガラスすべてに、ガラス飛散防止フィルムを貼りましょう。
●出入り口付近の蛍光灯が飛散すると、逃げ道にガラス片が散乱することになり、大変危険です。蛍光灯をすっぽりとカバーする専用チューブなどを装着しましょう。
●棚が倒れると逃げ道がふさがれてしまいます。専用の金具で倒れないように、床や壁に固定しましょう。
●重い本は本棚の下の段に入れましょう。ヒートン(金具)とゴムバンドの柵をもうけるのも効果的です。
●周りの棚が倒れても空間ができるように、家具の配置を工夫しましょう。
●棚の上に、さらに棚をのせていると、倒れたときの危険が倍増してしまいます。連結金具で棚と壁を固定するなどして万全の対策を施しましょう。
●ラジカセなどの重たい電化製品は、大地震の揺れで落下したり飛んできたりする可能性があります。衝撃を吸収する粘着性マットを下に敷いて固定しましょう。
●棚の中のかごが落下しないよう、棚板のふちに、幅10cmの帯状にカットした「滑り止めシート」を取りつけておくと、ストッパーとなり落下防止になります。