園では男女平等?性差を意識?子どもに男と女の違いを伝えるには
人間には、男と女の「性」があり、命を大切にする心を育む
現代社会では、命が軽んじられるような事件や出来事が多くありますね。
そのような事件や出来事をなくしていくには、子どもに命の大切さを伝え、自分や相手を大切にする心を育てていくことが必要です。
命を大切にする心を育てるには、人間の「性」について知ることが必要です。人間の体のしくみや、男の子と女の子の体の違いを知り、さらに自分が大切に育てられてきたと意識することにより、子どもたちは自己肯定感を高め、自分を大切にする心を育んでいきます。
それが相手を大切にしようとする気持ちへとつながっていくのです。
保育の中で、子どもたちに「性」を伝えることについて、考えてみましょう。
子どもが「性」について、自然に興味を持つタイミングをつかんで伝えていく
3歳をすぎたころから、子どもたちはトイレトレーニングや着替えなどから、男の子と女の子の体のしくみの違いに気がつき、自分たちの体について興味を持ち始めます。
子どもたちに知りたい気持ちや不思議に思う気持ちが芽生えてきたら、少しずつ人間の体のしくみや男女の体の違いについて話しをしてみましょう。そこから、さらに命の大切さを伝えていくようにします。
取り組みのきっかけ
トイレトレーニングなどで異性の体の違いに気づく
ふざけて異性の体に触りたがる
着替えでおしりを見られるのを恥ずかしがる
弟や妹ができて、「赤ちゃんきらい!」と言っている
話しをするのは4歳前後から
「性」についての話しをするのは、ことばの理解と情緒が豊かになる4歳前後からが目安です。
繰り返し伝える
年齢が上がると、理解力が高くなるので、繰り返し同じ内容を伝えていくことも大切です。
保護者にも伝える
「性」の話しに敏感な保護者もいるので、どんな話しをするか、事前におたよりなどで伝えるようにしましょう。
就学前も大事なタイミング
就学後は、子どもが一人で行動することも多くなるので、自分の身を守るためにも、就学前に改めて「性」について話しをする機会をつくるとよいでしょう。
年齢に応じた内容の話しで、自分の体に興味をもたせる
食べたものはどこにいくのだろう、血はどうやってできるの?など人間の体の仕組みについて、それぞれの年齢に応じた内容を、絵本やペープサートなどを使って楽しく伝えていきましょう。体の仕組みをしることで、自分の体に興味をもち、大切にしようとする気持ちが育まれます。例えば、4歳児の場合、食べたものは体の中でどのように消化されていくのかという内容や、5歳児だと、食べたものは血液やおしっこになることを話すのもよい年齢だといえます。
男の子と女のことの体の違いを知る
子どもたちに体のしくみを伝えたら、次のステップとして、男の子と女の子の体の見た目や機能の違いについて、話をしていきましょう。消化などの仕組みなどは男の子と女の子で同じでも。それぞれ体で違うところがあることを伝えてきましょう。また、男女の違いだけでなく、一人ひとりの顔や髪の毛の色などが違っていたり、体の大きさに違いがあったりすることにも触れていきます。自分と他人との違いを認め、相手を思いやる気持ちを育てていきましょう。
自分の体の大切な場所を守る意識を育む
「男の子のおちんちんはおしっこが出るところ」「女の子にはおしっこやうんちが出るところのほかに、赤ちゃんが生まれてくる玄関があって、その奥に赤ちゃんが大きくなる部屋があるよ」などと、体の大切な場所について話し、いつも清潔にしてばい菌が入らないようにしておくこと、友だちの大切な場所を蹴ったりしてはいけないことを伝えます。女の子には、「足を開いていると、大切な場所が人に見えちゃうよ」と話し、性犯罪などに巻き込まれないよう、意識を育むことも大事なことです。
男の子と女の子の体の違いについて、話をするのは、ことばの理解と情緒が豊かになる4歳前後からがよいタイミングです。