非認知能力とは?意味を理解して保育にいかす

hoikunabi

非認知的能力の意味を理解して、日々の保育に生かしていく

日本も含めた国々では、幼児教育のニーズの高まりに対して、これを国の基礎的な教育制度として位置付けていくという機運が高まっています。

その背景には、貧困などの格差拡大の解決という課題や21世紀になってわかりはじめた新たな課題への接近能力の育成などに対する課題があるのですが、そのためには、教育の開始時期をできるだけ早めることが重要であるということが指摘されているのです。

子どもの育ちというのは、十分な機会さえ与えられれば、世界中のどの地域においても同じように育つことがわかっています。

裕福な郊外に住む子ども、都市部の貧困地域に住む子ども、農村地域に住む子ども、世界中のすべての地域に住む子どもも、おおむね同じ年齢でこれらの能力を習得しているといわれています。

子どもの教育は可能な限り早くから開始するとその効果が大きく、費用がかからないこと、そしてその効果は、記憶できる力や知識を正確に覚えるといった認知的能力だけではなく、非認知的能力を伸ばすことにもつながることが見いだされています。

保育所保育指針の改定の内容にも盛り込まれたように、子どもの非認知能力が注目を集めてるようになりましたが、とても簡単にいうと、非認知能力というのは、困難なことが起きても、自分の力で切り開いていける社会的な力のことを言います。

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保育のなかで、やる気を伸ばす取り組み、自尊心を高める取り組みをしているかと思いますが、これも非認知能力を鍛えることになっているのです。

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興味や関心をもって、さまざまなことに挑戦できる子に

いろいろなことに興味や関心をもって、さまざまなことに積極的に挑戦できる子。

失敗しても「またやってみよう」と思える子。

そんな子どもの「やる気」を育てるには、どのような関わり方が必要なのでしょうか?

一緒に考えていきましょう。

どうして、「やる気」が大切なの?

「やる気」とは、子どもの内側から、やってみたい、おもしろそうという気持ちですね。

前向きに物事に取り組むことができるエネルギーの土台となる強い気持ちということもできるでしょう。

「やる気」は子どもの可能性を広げ、豊かな人生を切り開く力になります。

「やる気」が強い子どもは、いろいろなことに興味や関心を持ち、新しいことにどんどんチャレンジしていくことができます。

そして、たくさんのチャレンジができる子ほど、多くの経験をし、できることや知識を増やしながら知らない世界への扉を開いていくことができます。

反対に、「どうせできないから、やらない」「おもしろくないから、やらない」という気持ちが強いと、そこで新しい世界への扉は閉ざされてしまいます。

可能性に満ちた広い世界で、豊かな生活を送っていくために、自分から「やってみたい」「おもしろそう」という気持ち、「やる気」はとても大切な要素になるでしょう。

幼児期は「やる気」を育む、絶好の時期

子どもは本来、好奇心にあふれています。

幼い子どもにとっては、見るもの、聞くもの、触れるもの、ありとあらゆるものが目新しく不思議で、興味をかき立てられる存在です。

そのような世界の中で、子どもは日々好奇心をいっぱいにふくらませて生活をしています。

残念なことですが、そんな子どもも、大人になると、たとえ興味があっても、自分の力の限界や環境的な制限など、さまざまな足かせによって、挑戦することを躊躇したり、あきらめてしまったりすることも多くなります。

しかし、子どもは大人のように、難しく考えることはしないので、興味や関心があれば、すぐに飛びついてやりたがります。

その、やりたがる気持ちが溢れている時期だからこそ、たくさんの楽しいことに出会える環境づくりをしてあげたいですね。

「なんでもやってみたい」と思える、迷いや躊躇なくチャレンジできる力をもっている幼児期に、「やってみたい」と思えるものに出会い、幅広くチャレンジする経験を重ねることで、子どもが、どれだけ「やる気を持てる子ども」になれるかのキーポイントになります。

特に園では、家庭では体験できないような集団生活ならではの、恵まれた環境が用意されています。

保育者は、その環境をいかして子どもが「おもしろそう」「やってみたい」と思える保育や教育に取り組んでいくことが大切です。

子どもが自分から「やってみたい」と思えるようなことをふだんの活動のなかに、たくさん用意しましょう。

保育者は子どものやりたい気持ちを支援し、「やってみたらできた」「やったら楽しかった」という成功体験へとつなげていけるとよいですね。

その繰り返しで、子どもはいろいろなことに対して「やってみたい」と思い、「やる気」を身につけていくことができるようになっていきます。

いろいろなことに興味や関心をもって、さまざまなことに積極的に挑戦できる子。失敗しても「またやってみよう」と思える子。

そんな子どもの「やる気」を育てるには、どのような関わり方が必要なのでしょうか?一緒に考えていきましょう。

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たくさん褒める、上手に褒める

大人でも、褒められると嬉しくなりますね。

同様に、子どもも、大好きな保育者に褒められたり、友だちに認められたりすると、嬉しくて「もっとがんばりたい」という気持ちになります。

まさに、褒めることは「やる気」を育てるのに効果的です。

できた、できないだけでなく、その子どもなりの頑張りや努力など、過程にも目を向けて褒めることが大切です。

たくさん褒めて、上手に褒めて、子どもが自分から「やる気」を持てる子どもになるよう、取り組んでいきましょう。

また、褒められることで、子どもは自分に自信が持てるようになります。

「自分ならできる、だいじょうぶ」という気持ちが、失敗を恐れず、新しいことにチャレンジしていく力になっていきます。

子どものよいところや、頑張り、成長にたくさん気づいて、たくさん褒められるといよいですね。

子どもを褒めるときには、口先だけの褒め言葉ではなく、保育者の気持ちがストレートに伝わるように、豊かな表情と大げさなくらいのリアクションで褒めるとよいでしょう。

また、たくさん褒めたいけれど、褒めることがみつからないというときもあるでしょう。

そういうときは、褒めるべきポイントは他の子どもと比較するのではなく、その子の昨日と今日を比べ、その子自身の小さな成長や変化をみつけるようにしていきましょう。

できたという結果だけでなく、頑張っている姿や苦手なことから逃げずに立ち向かっていく姿など、その過程にも目を向け、褒めていけるとよいですね。

いろいろなことに興味や関心をもって、さまざまなことに積極的に挑戦できる子。

失敗しても「またやってみよう」と思える子。

そんな子どもの「やる気」を育てるには、どのような関わり方が必要なのでしょうか?一緒に考えていきましょう。

子どもの「みて、みて」を見逃さないように

子どもはよく「これ、みて」「先生、みて」と目を輝かせながら話しかけてきますね。

これは何かを発見したり、何かに成功したりして、その喜びや感動を、大好きな保育者にも伝えたいという子どもの気持ちの表れです。

こんなときは、忙しい手を少しの間だけでも休めて、子どもの話しを聞いてみましょう。

子どもの感動に向き合って、共感することが大切です。

伝えたい気持ちを受け止めてもらえないと、子どもは「これができても、すごいことじゃないんだ」という気持ちになってしまい、やる気をなくしてしまいます。

つい忙しいからといって「あとでね見に行くね」などと言ってしまうこともありますが、子どもの気持ちが高まっているときに、保育者が寄り添うことが大切です。

また、自分から「みて」といえない子どもの褒めどころは見逃しやすいので、日ごろからその子の頑張りや成長をよくみて、ここぞというときに声をかけられるとよいですね。

子どもの「みて、みて」や「きいて、きいて」には、大げさなくらいの表現で驚いたり、褒めたりするとよいでしょう。

失敗してもいいのだと、子どもが思える関わりを

好奇心旺盛な幼児期の子どもには、自然と「自分でやってみたい」という気持ちがわきあがってくるものですが、その気持ちが満たされる経験、挑戦したいことを実際にやってみて、「うまくできた」という成功体験がないと、次第に「やってもどうせできない」と思うようになり、「やりたい」「やってみたい」と思わなくなってしまいます。

なので、失敗したときや、うまくいかなかったときは、保育者が明るく声をかけ、気持ちが沈んで、後ろ向きになっている子どもを励ますことが大切です。

失敗を恐れて挑戦することをあきらめてしまう子にならないように、日ごろから「失敗してもいいんだ」「失敗したら、次にがんばろう」という気持ちを子どもが持てるような関わりができるとよいですね。

失敗は成功のもとであるという言葉を、日ごろからよく使い、クラスのスローガンのように、子どもの耳にいれておくとよいですね。

また、失敗は悪いことではなく、挑戦することが大切であるとということも、子どもの耳に入れておくとよいでしょう。

個性と育ちに寄り添い、子どもの「やる気」を育む

好奇心がいっぱいの子どもたち。個性と年齢に応じて、あきることなく体ごと素材(画用紙や絵の具など、造形遊びに使用する材料)を試してみたくなるという気持ちにあふれています。

保育者から見ると、危ない場面もあるかもしれませんが、「危ないから」ととめるばかりではなく、素材や用具との出会いのチャンスをつくっていけたらよいですね。

特に5歳になると、使いたい素材や用具が多くなり、新しいものにどんどんチャレンジしていきたい時期になります。

そんな子どもたちの思いを大切にしていきたいですね。

普段の園での保育や教育をしていく中で、世界各国の保護者が子どもの成長の何に期待しているのかということを考えることは、ないかもしれませんが、言語・自立・お友達の3つのスキルは、園でも重点的に取り組んでいるスキルかと思いますので、さまざまな活動を取り入れて、それぞれのスキルを伸ばしていきたいですね。

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保育者
ほいくなびのプロフィール
保育をしている人を応援するサイトです。これからも、よりよい保育を実践していきたいです♪横浜市に引っ越したことを機に、これまで勤務していた保育園を退職。いまは新たな園で勤務し、バタバタな毎日を過ごしています。転職することは不安もあったけれど、何とか頑張っていますヾ(*´∀`*)ノ 園では7月から始まるプールに向けて、掃除の話しが出てきました。本格的な夏まであと少し!
ほいくなび