上がったり下がったりする子どもの熱のケアとは
子どもが熱を出した場合、園で様子を見る、お迎えに来てもらう、病院に連れて行くといった判断はどうすればよいのでしょうか。
園でのケアと受診の目安、保護者への対応のポイントをご紹介します。
子どもの顔が赤い・・・ぐずったり機嫌が悪い・・・目がとろんとしてだるそう・・・体が熱い・・・など、熱のサインをキャッチしたらますは何をしたらよいのでしょう?
まず、熱のサインをキャッチしたら、体温を測りましょう。
一般に子どもの平熱は36.0~17.5度くらいです。子どもによって平熱は違いますし、午後の方が高い、運動や食事のあとや眠いときは高くなるなど、1日のなかでも変動があります。
元気なときに1日3~4回熱を測って、平熱を把握しておくことが大切です。
比較的元気で水分がとれているのなら、様子をみましょう。
保護者に連絡して、「熱が○○度ありますが、機嫌がよく比較的元気なので様子をみます。
「降園時間にはいらしてください」などと伝えます。
全身をチェックしてほかに気になる症状があれば、すぐに迎えに来てもらいましょう。
熱を測るときは、より性格に測るなら、脇の下で測るタイプの実測式電子体温計か、水銀体温計を使います。
脇の下に挟んだ体温計がずれないよう、しっかり抱いて測りましょう。
全身の状態をチェックするときは、次のことに気をつけてみましょう。
・顔色や顔つきはどうか
・機嫌はどうか
・咳や鼻水はひどいか
・下痢や嘔吐をしていないか
・痛いところはないか
・発疹がでていないか
また、熱性けいれんにも気をつけていきたいですね。
クラスの中に、熱性けいれんの可能性がある子どもをきちんと把握しておくほか、可能性がないとされている子どもでも、けいれんを起こすことはあるので、気を付けていきたいですね。
急な発熱がきっかけで起こる全身のけいれんを熱性けいれんといいます。
子どもが熱性けいれんを起こしたときは、落ち着いた対応が肝心です。
けいれんが10分以上続くときは救急車を呼ぶ必要もあるので、けいれんが始まったら時計を確認し、時間を計りましょう。
歯と歯の間に割り箸や指などを入れなくても、舌を噛むことはほとんどありません。口にものをいれると却って危険なのでやめましょう。
衣服をゆるめ、できるだけその場で安静に寝かせます。嘔吐することもあるので、吐いたものが詰まらないように横向きにします。
また、何度もけいれんを起こす子どもは、けいれん予防の坐薬を保護者から預かることも検討しましょう。
園での熱のケアと受診の目安、保護者への対応のポイントとは
子どもが熱を出した場合、園で様子を見る、お迎えに来てもらう、病院に連れて行くといった判断はどうすればよいのでしょうか。
園でのケアと受診の目安、保護者への対応のポイントをご紹介します。
考えられる主な病気として、次のものが挙げられます。
かぜ症候群
ウイルスが原因で、鼻、のどなどに急性の炎症が起こった状態をいいます。
かぜに引き続いて急性中耳炎を起こすこともあります。
しきりに耳をいじったり、痛がるときは急性中耳炎を疑いましょう。
かぜをこじらせると気管支炎や肺炎を併発することもあるので、無理せず園を休ませて家庭で安静にするよう伝えましょう。
アデノウイルス感染症
アデノウイルスが原因となって、プール熱(咽頭結膜熱)、扁桃炎、肺炎、胃腸炎などさまざまな症状を引き起こします。
症状が消えてから2日たつまでは登園禁止です。
ヘルパンギーナ
夏かぜの一種で、急に高熱が出て、のどに直径2ミリ前後の赤い水疱ができて、痛みます。
痛むので飲食をいやがあることがあり、脱水症状に注意しましょう。
登園禁止ではありませんが、受診と家庭での安静が必要です。
インフルエンザ
初めはかぜのような症状ですが、高熱が出て、体がだるい、痛いなどの全身症状が出ます。
吐き気や嘔吐、下痢を伴う場合もあります。
熱が下がってから2日たつまでは登園禁止です。
保育者も予防接種を受けておくとよいでしょう(予防接種を受けても、インフルエンザにかかることはあります。)
園でのケアのポイント
解熱は、病気から体を守るために必要な反応です。
解熱にこだわって、安易に解熱剤を使用するのは避けたいものです。
水、麦茶、子ども用イオン飲料など、水分は飲めるものを欲しがるだけ与えます。
機嫌がよく比較的元気そうにみえても、外遊びは控えて安静にしましょう。
汗をかかない程度に、必要に応じて室温を調整しましょう。
また、熱の出始めのときは寒がることがあります。布団を多めにかけて体を温めましょう。
反対に暑がるときは、薄着にしたり、布団を少なくして調整しましょう。
汗をかいたら、ぬるま湯でぬらしてかたく絞ったタオルを手早く体を拭きます。
冷やすときは、脇の下や足の付け根を冷やすと効果的です。
こんなときは病院へ
40度以上の発熱、ぐったりしている、下痢や嘔吐を繰り返す、呼吸が苦しそう、意識がもうろうとしている、唇や爪が紫色(チアノーゼ)、水分がとれず口の中がねばねばに乾いているなど。
また、けいれんが10分以上続くときや、けいれんがおさまったあとも意識や反応がない場合は、急いで救急車を呼びましょう。
保護者への連絡のポイント
体温と測った時間、全身状態について、できるだけ具体的に報告しましょう。
降園時に熱が下がっていても、夜にまた熱が出てくることもあるので、家庭でも注意して様子をみてもらいましょう。