もしかして虐待?児相に通告や相談しようか迷うときは
着替えのときに子どもの体を見るとアザが何点も・・・
送迎のときの保護者の子どもに対する言葉づかいが非常に暴力的・・・
保護者の子育て困難感がハンパなく、子どもがストレスのはけ口になっている・・・
まさか虐待?!でも・・・?!
こういうことが、目の前で起きたことがある保育者もいるかもしれません。
保護者による児童虐待は年々増加しており、児童相談所への通告も年々増えています。
通告や相談は児童相談所=児相へ
虐待と聞いて、連想することは児童相談所ですが、実際に通告したことがある保育者は多くはないでしょう。
冒頭のように、子どもや保護者のようすがなんだか変だと気づいたときは、気づいたことを時系列で整理して覚えておきつつ、周りの保育者や園長に相談をしてみましょう。
保育者1人の判断で、保護者に虐待を疑う話を持ちかけたり、児童相談所に通告をすることは(制度上は誰でも通告することはできることになってはいますが)、組織に所属している保育者という立場から、注意を要します。
虐待というのは非常にデリケートな問題なので、園や組織というチームで対応するのが望ましいでしょう。
虐待を疑われる保護者というのは、普段のようすからもわかってくることもあるので、何気ない会話から何か変だなというアンテナをはっていけるとよいですね。ただ、虐待を疑われる保護者も、その保護者なりに子育てをがんばっているということもお忘れなく。
虐待を早期発見するために
子どもへの虐待といわれても、身近には感じられず、いまひとつピンとこないこともあるかもしれませんね。保育者は虐待発見の手がかりをみつけたら、どのように対応をしたらよいのか、考えていくことが大切です。
虐待を早期発見するために、どのようなことに気をつけていけばよいのかを考えていきたいと思います。
園でのようすから、虐待の可能性を見極めましょう
身体的な虐待、心理的な虐待、育児放棄(ネグレクト)。性的虐待と4種類の虐待がありますが、各家庭はさまざまな事情があり、子どもや保護者も各家庭で当然違います。各家庭をきちんと見極めて、決してひとつの条件に当てはまっただけですぐに虐待だと判断しないようにしましょう。
記録をとって、継続的かどうかを観察したり、ほかの項目に当てはまるかどうかなども確認して、総合的な判断をしましょう。もちろん、判断する保育者もひとりではなく、複数人で判断することが望ましいといえます。
登園時にチェック
●子どもが保護者におびえていないかどうか
●衣服の汚れや体臭が気になるなど不衛生になっていないか
●忘れ物が多くないか
●連絡もなく休むことがないか
以上のことをチェックしましょう。
生活や遊びの中でチェック
●友達に攻撃的な態度をとっていないか
●虫や小動物をいじめていないか
●食事をがつがつ食べていないか
●体をさわられるのを嫌がっていないか
●一日中、眠そうにしていないか
●さびしそうな表情をすることが多くないか
●保育者を独占することが多くないか
以上のことをチェックしましょう。
午睡時にチェック
●着替えるときに、原因のわからない傷が多くみられ、手当も十分になされていないままの状態になっていないか
●部屋が暗くなると落ち着かず不安になる状態が続いていないか
●緊張したようすで眠れない状態が続いていないか
以上のことをチェックしましょう。
必要な健診や予防接種を受けていないままの状態が続いているときも、虐待を疑うとよいときもあります。