保育相談支援は、保育臨床相談といわれることもあります
認定こども園、幼稚園、保育園では、育児相談、発達相談、子育て相談など、保護者から子育てに関する悩みや相談を受けることがよくありますね。
保育における子どもの発達支援にかかわる相談活動全般を、保育相談支援といいます。
就学前の乳幼児期の保育や教育施設を取り巻く制度的環境の急激な変化は、そこに通う子どもたちの生活のあり方の多様性を反映しているものといえます。
それゆえに、保護者の相談内容も多様化しており、保育相談支援が重要となってきています。
そして、保育相談支援とは保育臨床相談といわれることもあります。
保育相談支援と保育臨床相談
臨床とは、基礎研究ということばの対として、実践を重視するものであり、保育臨床とは、子どもの園生活において、保育の基本をふまえた臨床的アプローチ、あるいは臨床的視点に立った保育実践の可能性を探求することを重視する立場です。
保育臨床ということばを使用することにより、より実践的に子どもの理解を深め、必要な支援をしていく視点が強調されているといえます。
園において、保育臨床相談の支援対象となるのは、在籍するすべての子どもたちと、その保護者です。
子どもとは定型発達の子どもはもちろん、障害のある子どもや養育上の問題を抱えている子どもを含みます。
また、園が保育相談や園庭解放などの地域活動事業をおこなっている場合、参加した地域の子育て親子も保育臨床相談の支援対象となります。
園における保育臨床相談をどのように行っていくのかを検討することは、保育の内容や方法の改善、園内や園外の連携強化など、保育の総合的質の向上を方向づけることにつながります。
保育のなかで、子どもが育つことに対する絶え間ない実践活動の積み重ねであるともいえます。
ふだんの活動の中での問題や解決すべき課題について、保育者自身が具体的に対応を考えて解決策を模索していくことが保育者が個々の力量を高めていくために、大切なことですが、その過程は、まさに仕事を通じての力量形成(OJT)といえるでしょう。
しかし、多様な状況にある子どもたちへの支援について、担任のみで解決策を模索していくと、早期の支援ができないこともあります。
そうならないためにも、園内での連携協力を得られるように、園内で話し合いや情報交換が日常的に行われるしくみ作りができるとよいですね。